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第11話 相対性理論と媒質の屈折率

2020-03-18 15:44:05 | 脳トレ宇宙論

脳トレ宇宙論 第11話 相対性理論と媒質の屈折率

 

  アインシュタインは1916年に一般相対性理論を提唱した。星のような巨大な質量の物体は光を曲げるという可能性を提示した。相対性理論は、時間の概念は速度に依存するという新たな思考法を導入することで、それまでの天文学の基礎となっていたニュートン力学では解明できなかった様々な天文学上の問題に解決の道を与えた。

 つまり重力場における媒質の屈折率の変化を考えた。そして「水星の近日点移動」、「重力レンズ効果」、「重力赤方偏移」などの観測によってアインシュタインの考察が正しいことが分かった。

 

 話は変わるが、一般的に物質によって光(波動)に対して屈折率が変化することは古くから知られていた。

・アレクサンドリアのギリシャ人プトレマイオス  は光の入射角・屈折角の関係を見出した。

・屈折の法則は、バグダッドのイブン・サフル(Ibn Sahl)の論文"Burning Mirrors and Lenses"(984)の中で初めて正確に記述された。

・屈折の法則は1602年にトーマス・ハリオットによって再発見された。

・1621年にヴィレブロルト・スネルも独立にこの法則を発見したが、生前には出版されなかった。

・これと独立してルネ・デカルトは1637年に発表した方法序説試論において、運動量保存を使って正弦関数で表された屈折の法則を導き、光学の問題を解くために利用した。

・ピエール・ド・フェルマーはデカルトの導出を受け入れず、自身の最小時間の原理に基づいて同じ結果を導いた。 

 また電波伝搬に関しても、電離層(上層大気中のプラズマ)媒質の屈折率の変化によって伝播経路が変化したり、突き抜きたりする。

また光ファイバー内の光伝播も屈折率の変化を利用している。

 以上のように媒質(物質)によって屈折率が変化することは分かりやすいが、物質の存在しない重力場で屈折率が変化することは、凡才には分かりずらい!

ここで場のエネルギーを考えるというのがアインシュタインの発想ではないか。つまりE=mC2 とすれば良いというアイデア。 

(質量はエネルギーと等価であるという式)

(参考:R.ラゥカー、「四次元の冒険―幾何学・宇宙・想像力―」、工作舎、1989.の監訳者あとがきより抜粋)

 アインシュタインの1905年の特殊相対性理論は運動物体の空間と時間は密接に結びついていることを明らかにし、ミンコフスキーはこれを空間の三次元に時間と言う異質な次元を加えた四次元時空連続体という概念で表現した。

 この理論の結果を列挙してみると、光速度に近い速さで走っている物体は静止系から見ると縮んだり変形して見えること、光速度に近い速さに近づけば近づくほど質量が増大して加速しにくくなること(その結果高速度より早くはなれない)、質量とエネルギーは等価であること(その結果質量保存の法則とエネルギー保存の法則とは同じ内容を表しているということになった)等々。

 これらの常識に反する結果は、光速度不変の原理と特殊相対性原理から導かれるのである。この理論は慣性系についてしか成り立たなかったから、アインシュタインはこれを加速度系に拡張し、1916年に一般相対性理論を提唱した。この理論では重力によって時空間が曲がると考える。すなわち質量をもつ物体の周りの時空間は歪むと表現できるのである。


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