D90withタムキュー@東山植物園
クシャミとともに腰が崩壊したその日、
身動きがとれないのを良いことに、横になってひたすら本を読んだ。
当初は土屋賢二氏、中島らも氏、原田宗典氏らの軽目なエッセイを手に取り適当に読み飛ばしていたのだが、
折角結構な時間があるのだし、日頃の習慣:就寝前の読書タイムでは手を出し難い類の本を読もう、と思い立った。
当然、自宅にある本なので過去に一度は読んだことがある本が対象だ。
その中で“もう一度読みたいとは思いつつなんらかの理由で読んでいない本”を数冊ピックアップしてみた。
で、最終的に残った候補が以下の3作:
・イエスの遺伝子/マイクル・コーディー
・奇妙な論理~だまされやすさの研究/マーチン・ガードナー
・フェルマーの最終定理/サイモン・シン
『イエスの遺伝子』
遺伝子学者の主人公が娘の遺伝子を解析した結果、余命1年であることを知る。
死を回避する為に“奇蹟の治癒能力を持つ人物のDNA~イエスの遺伝子”を探し回り、やがて、、、といったお話し。
~エンターテイメントとしては楽しめた記憶はあるが、いまいちトンデモだったかも、で、却下~
『奇妙な論理』
その“トンデモ科学”を批判的に楽しむ体系の基になったとされる名著。と、言われている本。
~著者の分析・解析能力が高いことはわかるのだが、ちと退屈/文体(勿論翻訳)が生理的に合わない為却下~
というワケで、『フェルマーの最終定理』を読むことにした。
日本語版の単行本が発売された当時(2000年)、書店で冒頭の数ページを立ち読みしてすぐに購入に走ったこの本は、
17世紀の数学者ピエール・ド・フェルマーが書き残した1つのメモと式~“自分はこの式の証明が出来るけど、アンタ達出来る?”
という挑発に対し、歴代の名立たる数学者達が立ち向かっては破れ、
360年(!)の月日が経過した後、ようやく一人の天才数学者が完全証明するまでに到った過程を
ピタゴラスイッチの時代から現代数学までの流れを解り易く解説しつつ追ったドキュメントである。
いやぁ、久しぶりに読みましたが面白いですよ、この本。
酢の物以上に“理数はサッパり”な自分でも十分理解できます
(ところどころ理解できない部分も出てきますが、本を読み進める為の足枷にはなりません)。
こういった時間の使い方が出来るのなら、ギックリ腰も悪くないかも、と思えるほど。
結論:仮病に勝る安らぎ無し


