従軍慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者で、

3月まで北星学園大非常勤講師だった植村隆氏(57)が、雑誌などで「捏造(ねつぞう)記事」と

書かれ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの桜井よしこ氏と新潮社(東京)など発行元3社に計1650万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、札幌地裁(岡山忠広裁判長)であった。桜井氏側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、桜井氏は新潮社が発行する週刊新潮などで、植村氏が朝日新聞記者時代に執筆した元慰安婦に関する記事を、「捏造」「意図的な虚偽報道」などと批判したとしている。

 植村氏はこの日の意見陳述で「桜井氏は記事を捏造と決めつけて、自分への憎悪をあおった。家族は殺害予告まで受けた」と主張。その上で「捏造と言われるのは記者にとって死刑判決に等しい。司法の場で捏造記者の汚名を晴らしたい」と訴えた。

 これに対し、桜井氏は「家族に対する暴言は許されないが、それが私の記事ゆえとする植村氏の主張は受け入れられない」と意見陳述し「植村氏は事実と異なる記事を書き、誤った慰安婦報道で多くの日本人が苦しんだ。記事への評価は断固として変えない」と主張した。