
CW、いわゆるモールス通信を行う時には、最初に呼ぶ側が、
CQ CQ DE JK1xxx K (CQCQこちらはJK1xxx局どうぞ)
と言うように送信するのであるが、とにかく誰かにこの呼び出しを拾ってもらいたいので、上のコールを何度も繰り返すのである。
が、その繰り返しの際の間隔が殆どない無線家が居るのには、ほとほと困ってしまう。
コールに応える側は、呼び出しの信号の切れ目を見つけて自分の方から信号を送る訳なのよね。 こちらは・・・と打ちかけたところにCQの繰り返しが被ってきて無視される。 何度も何度もCQ文を繰り返すのは、誰も取ってくれないから、とでも思っているのか、相手に聞こえていない、と思っているのか。
違うんだよ! CQは相手に届いているんだけど、あんたが息つく暇もなくCQを繰り返すもんだから、相手からのコールがあんたに聞こえないんだよ。 もっとゆったりと、CQ繰り返す場合は10秒くらい待ってから2回目のCQを出せばいいんだよ。
無線機にも工夫があって、フルブレークインとセミブレークインという打鍵時のオプションがある。 フルブレークインにすると自分が打電している間でも信号が入ってくれば打電の隙間で聞こえるのだが、セミブレークインでは自分の打鍵が終わるまでは入管信号は聞こえない。
こちらの返信が、電波が弱くて聞こえないのか、それともあちらの打鍵の所為で返信が聞こえていないのか、疑心暗鬼になる。
困った人とはこんな人:
・セミブレークインで打鍵する人。 フルブレークインに設定を換えろ!
・割と高速で打つ人。 ゆっくり目に打てよ!
・繰り返し文の間隔が短かい人。 10秒間隔で打つこと!
こりゃ~あ、聞いとんのかあ~、といつも言いたくなる。
そしてこういう輩は常にパスということで無視するようにしている。
勝手に一人でCQ出し続けてな!
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実は、これにはもう一つ裏があった。
世慣れたアマチュア無線家は、スプリット運用という方式で交信していることがある。
というのは、CWでもSSBでも、CQコールを出すととてもたくさんの人が交信をもとめて一度に呼んでくる。 パイルといって音が重なって聞き取れなくなる。 するとCQ出した人もどうして良いかわからなくなって立ち往生してしまうんだな。
これを避けるために、世慣れた人は、CQと同時に1UPとか10UPとか言うわけである。 その心は、私は(パイルを避けるために)1KHz、または、10KHz上を聞いて待ってますよ! つまり、送信周波数が7.100MHzだとしたら受信周波数を7.1001 ~7.1010 辺りでお返事をお待ちしていますよ。 ということになる。
これを知った受信者は、CQを聞き取った受信周波数から01~10KHz上に送信周波数を上げて送信するわけだ。 もとのCQの周波数ではCQを出した人の声しか聞こえず、一人で交信しているように聞こえるわけだ。 返事をしている人の声はそれより上の周波数でしゃべっている。
このことを知らずに素直にCQに応えているが一向に取ってもらえない、返事をもらえない、という現象も起こる。 特に、スプリット運用、1Up、とか、10Upとかを言わずにCQやQRZを出している人は、経験の浅い無線家を馬鹿にしていることになる。
いくらCQに応えようとしても取ってもらえない状態は、傍で聞いていても腹立たしく、この野郎!(失礼、女性もいるかも)と言いたくなるわけであります。
スプリット運用する人は、スプリット運用することを告げるか、1Upとか10Upとか、必ず言うようにしていただきたいものです。