Max Rod Craft Blog

Max Satohの工作に関するブログ

壊れたトランシーバを修理してみよう その1

2020年08月02日 | アマチュア無線

約25年前、ワシはパラグライダーで空を飛んでおった。 パラグライダーで空の上に行っちまうと、地上にいる仲間と連絡が取れなくなって、どこかに不時着したり、遠くに飛ばされたりしても、一人ぼっちになってしまう。 誰も助けに来てくれない・・・

だから、パラグライダーをやる人は皆、無線機を持つことが義務付けられているのである。 無線機で電波を発信するには、最低でも、アマチュア無線4級という国家資格をとらねば公式には使えない。 だから、勉強してとった。 アマ4級は生涯免許である。

モールス通信の練習を始めたので、そんときに買った無線機を家探しして探し出してきた。

これ(ら)だ! ワシとともに空を飛んでいた無線機たち。

ふる~いハンディートランシーバー2台

大きいほうはKenwood TH79、小さいほうは Standard C401という機種。 小さいほうでも2Kmくらいは電波が飛ぶ。

両方とも液晶が表示されないので使えない状態だ。 いわゆる・・・壊れている。

ネットサーフィンをして、両者ともに修理したひとたちの経験談をあさりまくった。 いるね~、やっぱり・・・自分で直した人たち・・・

ワシにもできるかな・・・と思って分解してみた。

まず、Kenwood TH79の分解 (写真なし)

ケースを2枚に分けることは簡単にできたが・・・左右をつなぐフィルムコネクターという紙っぺらみたいなベルトが抜けてしまった。 液晶パネルを外すのはちと怖いので、抜けたベルトをそっと戻して、Kenwoodのサービスセンターに送ってしまった。 その状態で電池を入れてみたところ、液晶画面に何やら文字のような、判読は出来ないんだが、ものが表示され、しばらくして消えた・・・ひょっとしたら、この抜けたフィルムコネクターを取り替えたら液晶が映るのかも・・・なんて思ったりして。

どうせなら、液晶や劣化部品を取り換えてもらったらいくらかかるのか、見積り依頼した。 1万円前後でなおるのならやすいもんだが・・・
こちらは連絡待ちだ。 8月は半ばまで夏休みみたい・・・

Standard C401も分解してみた。

ケースはネジ3本で分けられる。 次に開いたケースから基板を外すのであるが、問題が・・・

内部は電解コンデンサの液漏れで腐食が進んでおり、配線材も例外ではなかった。

まず、電源の配線がポロっと取れてしまった。 あわてて、どこにつながっていたのかを調べて記憶する。 ほとんどの配線は左右に揺らすだけでポロっと落ちる。

まずはすべての配線の半田位置を記憶する必要にせまられる。 マジックでマークしておいたりして。 記憶しておかないと元にはもどせない。 外れた線は、何本あったのか分かるように保存しておく。

左側のRF基板(電波関係)はネジ3本を外す。 基板からの黄色い線とアンテナの基部が半田付けされており、この半田も溶かして外さねばならない。 また、基板上にある2つのソケットに刺さっている黄色いプラグも抜いておく。(3本づつ細い線が入っている)。 線が細いからあまり動かさない。 いつポロっと行くか分らんからね。 イヤホンジャックとマイクジャックを外側から押し込みながら、基板下部をそっと持ち上げるとポコッと外れる。

細かい半田を外すのに普通のこて先では太すぎて周辺の部品を痛めてしまう。 だから急遽作った、先端が2㎜の半田ごての小手先を・・・洋伯を使った。 細くなったのは良いが、熱が冷めやすい・・・なかなか熱くならない・・・

右側のコントロール基板はネジ4本を外した上に、そっと持ち上げ、スピーカーに半田付けされた配線を、半田を溶かして外さねば、ケースから剥がれない。 +ーの線の黒いほうの半田位置をマジックでマークしておく。 

また、右側には平ったいボタン電池が入っており、これにも+-両方に半田付けで電極がくっついている。 おまけに電池は接着剤でケースに張り付いていた。 電極と基板を結ぶ配線は開いたときにポロっと落ちた。 半田の位置は確認してある。 最初に写真とっとくのがいいね。

さて・・・と、

開いた状態の基板、左がRF関係、右がコントロール関係の回路だ(・・・と思う)

一見、両方ともきれいじゃないの? 左の電解コンデンサは液漏れした形跡はないけど・・・(多くの先達は左側基板の右上の3つのコンデンサが液漏れしていたと書いているが・・・)

次は裏側を見てみよう・・・これは右側の裏側

うへ~っ、これはひどい!  基板左下にある電解コンデンサからの液漏れが周辺回路、ケース側の押しボタンの裏側にべっとりと付いており、さらにはアンテナの基部にまで流れ出していたんだね。 最初、アンテナ基部は緑青で錆びついており、プライヤーでやっと回るほどに固まっておったのだ。

さて・・・皆さんがおっしゃるように・・・電解コンデンサーを4つ取り外すことにする。

まずは、コントロール基板裏側の1つを外す。

表面実装の電解コンデンサーは、ラジオペンチで上から挟み、左右にねじれば簡単に基部から外れる。 基部もラジオペンチで左右にぐりぐりやればポロっととれる。

が・・・隣についていたスイッチ状のものがラジオペンチの側面に当たって基板ごと、ベリッととれた。 X-2と書いてある。 これはいったい何だ?  直せるかな???  まあ、次行こ・・・

この基板で腐食のひどかったのは、下にならぶ3つと4つの並んだ渦巻状の回路・・・これはちょうど、ケースについているゴム製のボタンの位置に対応している。

この回路は、スイッチ電極(渦巻)が回路上に描かれており、導電性のゴムボタンを押すことでスイッチが通電する、という仕組みになっている。 ゴムの丸い部分が導電性ゴム。

電池を入れたとたんに、ここの回路が腐食によりショートしていて、液晶のランプがついたままになっていたと分かる。 他のボタンもショートしているはずだ。

どこまでショートしていて、どうすれば修正できるか、他の回路もやられてはいないか? 通電テストを繰り返して調べるしか・・・ないか・・・ 解決策はその後だ。

緑青を落とし塗料薄め液で洗浄した後の写真が下のもの。 基板上の配線部に薄め液が染み込み、回路が無事なのかどうなのかもわからなくなっている。

はずれた x-2 は、取説を見ると、メモリーを初期状態に戻すためのリセットボタン(タクトスイッチという)だった。 ここは基板に緑青が山のようについていて元の基板図が見えないのだ。 タクトスイッチの足も緑青に覆われ取れてしまっている。 小さな基板上に回路が描かれていたのかもしれない。 

おそらく最後に通電テストをしてメモリーが消えるかどうか、試行錯誤でやってみるしかない。 どこにつなげばええのん?

次、RF基板上の電解コンデンサーを3つ外す。 ラジオペンチで左右にぐりぐりしたら、あっけなく3つとも綺麗にはずれた。 写真をご覧ください。 掃除もしていないのにきれいなもんでしょ? こちらの基板は、おそらく痛んではいないのではないか、と想像する。 液漏れも見当たらないし・・・

・・・ってことで、だいたい痛んだ箇所は分かったような気がするが・・・元にもどせるかどうか・・・

下はぐりぐりして取り外した電解コンデンサー4つ。 危険ごみとして出すことにする。 一般ごみに電子部品を混入させてはならない。 PCBは流れ出すと環境汚染を引き起こし、青年が無精子症になる原因となるからね。 

こいつらは、積層セラミックコンデンサに変更する。 220µFが1つと100µFが3つ必要となる。 どちらも10個入り、5個入りで¥250と¥230といったリーズナブルな値段。 だが送料が・・・

治ったら、また報告しますね。

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