ここに昔聞いたレコードがある。
タイトルは「THE・PIANO」ハービー・ハンコックの曲である。
このレコードを聴くとあらためてピアノのよさが感じられる。
ある雑誌でのハービーのインタビュー記事。
ミュージシャンである前に人間だ
「僕はそれまでずっと、自分はミュージシャンだと思っていました。
でももうそう思わなくなったのです。 なぜなら、僕はまず何よりも自分は
人間だということに気がついたからです。 ミュージシャンというのは、
今の僕の仕事だし、今の僕のことですが、 僕のすべてではない。
自分はさまざまな局面を持っていますが、根本は人間だということです。
始めの頃は、自分の音楽がよくなればいいと思っていました。
しかし、今は自分の人生をどうよりよいものにしていくか、ということが
大事だと思っています。 自分の人生は、人類に奉仕するためにある。
ですから、音楽の目的も人間のためにというふうに変わってきました」
「自分の音楽がとても広がったと思います。
いろんな方面に目がいくようになりました。 演奏するうえで、
自分が選択できる色が増えたといえばいいのか。
いろんな可能性を追求できるようになりました」
ハービーが常に言っていること。 多くのミュージシャンは一度ヒットしたり、
聴衆に受けたりすると、いつの間にかそこに安住して似たようなものを
作ってしまいがちになる。そうしておいて自分を大きく見せようとするから、
もっと広い視野を持てるということを忘れてしまう。
この秋ニューアルバムが出た。タイトルは『POSSIBILITIES(可能性)』
平和に向かって共に行動しよう
ハービーのピースメッセージ
「今、われわれには新しい平和の時代をつくれるチャンスがあります。
みんなが平和というゴールに向かって持続的に行動し、
新しい時代をつくるのです。 そして、私は今ならそれができると思います。
われわれは忌まわしい戦争を経験してきたし、今はテロもあります。
これ以上最悪な事態は避けなければいけない。
だから、積極的に平和を求め、積極的に対話を交わして、
本当に人間の幸福につなげる道を見つけ出さなくてはいけないのです。
一緒にやれば必ずできます。一緒にやれば必ず・・・。」