秀樹は今回の大震災ですべてを失ってしまった。両親も妹も家も財産も。ただ彼の宝であるクラリネットは彼のそばにおいていたので無事だった。
震災後しばらくは避難所で生活をしていたが、東京の伯父に引き取られる事になった。
故郷の福島県いわき市の避難所を離れる時秀樹はお別れに、
「ダニーボーイ、と別れのワルツ」
をクラリネットで吹いて別れの挨拶としたのだった。
「みんな涙、涙で秀樹を送ってくれた」
秀樹は、
「くよくよしてもしようがない、前を向いて生きよう」
こう決意したのである。
「一日も早く東京での生活に慣れないと」
こうも思った。
新しく暮らす東京都江戸川区の公園で空を見上げてダニーボーイをクラリネットで吹いた。
「がんばろう」
秀樹13歳の春である。
*この物語はフィクションです。
震災後しばらくは避難所で生活をしていたが、東京の伯父に引き取られる事になった。
故郷の福島県いわき市の避難所を離れる時秀樹はお別れに、
「ダニーボーイ、と別れのワルツ」
をクラリネットで吹いて別れの挨拶としたのだった。
「みんな涙、涙で秀樹を送ってくれた」
秀樹は、
「くよくよしてもしようがない、前を向いて生きよう」
こう決意したのである。
「一日も早く東京での生活に慣れないと」
こうも思った。
新しく暮らす東京都江戸川区の公園で空を見上げてダニーボーイをクラリネットで吹いた。
「がんばろう」
秀樹13歳の春である。
*この物語はフィクションです。