現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

変な虚無僧のイラスト

2007-09-11 03:16:55 | 一休と虚無僧
中日新聞夕刊に「遊女(ゆめ)のあと」(諸田玲子)という
時代小説が連載されている。虚無僧がしばしば登場してくる
ので、イラストが載った。絵は深井国という人。

一休さんが着ているような短い法衣に、袈裟を前後に二枚も付け、
杓杖(鉄輪がついた杖)を持ち、天蓋を被っている。尺八は持っ
ていない。何これ?である。普通の托鉢僧が丸い笠の代わりに
虚無僧の天蓋を被っているのだ。虚無僧といえば尺八でしょう。
虚無僧のイラストを頼まれて、虚無僧のことを調べる余裕もなく、
あいまいな記憶で描いたのだろう。

ブログで「虚無僧」を検索して見ていると、明らかに普通の
托鉢僧のことを「虚無僧」と書いているのが、散見される。

鵜沼の貞照寺は、マダム貞奴の菩提寺。貞奴は日本初の女優。
川上音二郎の妻でありながら、福沢桃介の愛人であった人。
その貞照寺の本堂の周囲に、貞奴の生涯が木彫で描かれていて、
その中に貞奴が箱根山中で暴漢に襲われた時、「普化(ふけ)僧」
に助けられるというシーンがある。普化僧とは虚無僧のことだ。
虚無僧は、中国の普化禅師を祖師と仰ぐから、普化宗、普化宗の
僧=普化僧なのだ。
ところが、普化僧の図が杓杖を持った普通の托鉢僧なのだ。
この図を制作した人も周囲の人も誰も「普化僧が虚無僧」という
ことを知らなかったのだ。悲しい。




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