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土記  /  なぜあなたも総裁選に=伊藤智永 / 毎日新聞

2024年09月14日 | オピニオン
毎日新聞 / 2024/9/14 東京朝刊 有料記事

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 多すぎるし、長すぎる。自民党総裁選は結局9人が立候補した。岸田文雄首相の不出馬表明から約1カ月。あと2週間もある。

 閣僚や与党幹部が日ごろ黙っていた本音(ちゃぶ台返し?)や大口(言いっぱなし?)をたたく様は見ものだが、だったら言論の府で発言してほしかった。

 せっかくの議論も論点が散ると、誰が誰だか分からない。試しに下手なクイズを一つ。次のキャッチフレーズは誰でしょう。

 「日本列島を、強く豊かに」

 「自民党は、生まれ変わる」

 「人にやさしい政治」

 「決着 新時代の扉をあける」

 「日本の新しい景色」

 「協創 新しい日本」

 「有事の今こそ(候補者名)」

 「日本の未来を守り抜く」

 「経済再生を実行へ」

 答えは、9候補者の届け出順。つまらなくてすみません。でも、つまらないのは過半が、今回は当選する気のない顔見せ組だから。つまり本気じゃない。

 自民党には、総裁選に出馬できれば政治家として本望と考え、周囲もたたえる文化がある。それが、派閥を守る戦略であり、仲間への献身とみなされるからだ。

 今はダメでも、いずれ総裁を出す力を秘めた集団の結束を党内外に示せば、選挙後の主流派に入るか、非主流派でも交渉次第でポストやカネを引き出せる。

 一つを除き派閥は解消したはずの今回も、その政治文化は残る。高市早苗氏は安倍派、林芳正氏は旧岸田派、河野太郎氏と上川陽子氏は麻生派、石破茂氏は旧石破派、茂木敏充氏は茂木派が推薦人の多くを占めた。二階派は複数候補に分散し、保険を掛けている。

 皆さん、その気満々。生まれ変わる気などさらさらない。総裁選後すぐの衆院選で、自民党丸ごと「みそぎ」を済ませようという魂胆なら、なおさらだ。

 「選挙の顔」を選ぶ基準は知名度と人気。世論とのずれが言われるが、自民党延命の「顔」を選ぼうとすれば、ケインズの「株価の美人投票」になる。自分の好みは脇に置き、最大多数の好みを推測して投票する、あれだ。

 小泉進次郎氏優位がうなずける。したたかな面々には、小泉氏が無理めの改革を「1年以内に実現する」と約束したのも好都合。衆院選を乗り切りさえすれば、来年夏の参院選後にもお辞めいただけばいいからだ。「進次郎人気」を利用した体のいい使い捨てである。

 その時が勝負どころで、今回は腕ならし。皆さん、お人が悪い。そうなったら岸田氏も手を挙げるかもしれない。(専門編集委員)



 今まで自民総裁選のテレビには見向きもしなかった。今日、ふとチャンネルを回したら記者クラブでの討論会で多分橋本五郎氏だと思うが、候補者ひとりひとりにきつい直球質問を投げかけると、皆真面目に答えているではないか。国会もこんな風なやり取りをして欲しいものだと感じた。

 ところで、私も候補者の皆が、総裁に本気に成れると思っているのかと疑問に思っていた。伊藤智永さんの「土記」にその答えがちゃんと書いてあるではないか!なんだかほっとしたね。自民党は総裁選にTHE MATCHなんて看板を掲げたので呆れていたけど、昔人気を集めたプロレスみたいな総裁選ショウ(THE MATCH)を展開していたんだね。

 伊藤智永専門編集委員さん、有難うございました。
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