しのぶwaves

有馬忍 ライブ情報 日々記

19

2005-07-11 19:46:30 | 物語
青い光で覆われた場所は、ドーム型天井でその中心にハンモックのように吊り下げられた揺りかごが
ゆらゆらと揺れていました。手に届きそうな高さで、届かない微妙な位置で揺りかごは止まる事も無く揺れ続けていました。そのカゴを揺らしているのが、青い制服姿の男で、のんびり椅子に腰掛けて腕だけは世話しなく動かしているといった様子です。音もなく揺れるその中で、王様は何やら寝言のような言葉を常に話しています。例えば、「おお~!そこの赤いリボンのおじょうちゃん、そこの扉を開けてごらんなさい、美しいお話の玉手箱を君におくりましょう~!きっと、幸せが訪れますから」とか、「こらこら、そんな乱暴な言葉で友達を傷つけてはいかんぞ!」とか、「満足、満足、」
とか、「悲しいな~、つらいな~、よしよし。」とか、まるで起きて居る様にしゃべり続けているのです。とにかく、ヘビ男達より一歩先にたどり着いたのですから、無事に王様をここから助けださなければなりません。
その時でした、ドーム型の天井から白い紙が少年の足元に舞い降りました。その紙に小さな文字で書かれてあったことは、
「わしの事は気にするな、起きてもなお夢見る力も残しておるぞ。それより、ソドの国を滅ぼさないために、わしをここから連れ出す方法を考えてくれ!」
少年が驚いて言いました。「王様の言葉だとしたら、早く助け出さなくちゃあ!」
エルマーちゃんは急いでいい方法を考え出そうとしています。青い制服の男の腕が一定の速度で、揺りかごを揺らしていましたが、突然その腕がへびのようにクネクネになって王様の揺りかごもクネクネと変な動きになっていきました。王様はまだぐっすりと眠っています。でも、何かが違います、
王様の枕が頭の下から這い出して、生き物のように動き出すと、顔の上に這い上がり王様の息の根を
止めようと

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