さかいほういちのオオサンショウウオ生活

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小説 パラレル濃姫子ちゃんストーリーズ エピソード1

2017年12月06日 06時29分13秒 | 小説

ここは長良温泉商店街。
この商店街の隅っこに、織田信長の正室・濃姫の掛け軸が飾られているお寺がありました。
そこへ唐突に多次元宇宙からやってきた異次元黒魔女が現れました。
「呼ばれず、飛び出ず!ドンドロド~~~ン!」
「ウヒョヒョヒョ!世界征服の大きな野望も、小さな一歩から、この商店街を征服してやるよ~~!」
そう叫びながら濃姫の掛け軸に向かって怪しげ~な光線を発射しました。
ボヨヨヨヨ~~ン!と紫色の煙が立ちこめ、濃姫の掛け軸は濃姫子ちゃん変身しました。
「お前の名前は濃姫子だよ!この商店街で悪さをしておいで~!」
異次元黒魔女が濃姫子に悪事を働くように命令しました。
「はい、わかりました!ご主人様のご命令のままに!!」
そう言いながら、まだ自我の目覚めていな濃姫子は商店街で悪事の限りをつくしました。

ああ神様!仏様!なんたる極悪非道なんでしょう!
パン屋ではクリームパンとアンパンを全部ならべ替えてしまいました。
靴屋さんでは、靴の紐を全部硬結びにしてしまいました。
洋菓子屋さんではバームクーヘンの焦げ目の部分だけを食べてしまい、ただの円柱のカステラのようにしてしまいました。
映画館では、一番泣ける場面でスクリーンの前に出てきてアッカンベーをしました。
洋服屋さんでは、買いもしない服を全部試着しました。
あれもこれも、目を覆わんばかりの悪さです!

時間がたつうちに、濃姫子は自我に目覚めていきました。
「私は何でこんなことをしているの?」
「商店街に迷惑ばかりかけて、もう死んでしまおう!!」
そう思った濃姫子は、長良川の岸辺にやってきました。
「この川でおぼれて死んでしまいたいわ・・・」
濃姫子が長良川に飛び込もうとした瞬間に、光り輝く異次元白魔女が現れました。
キンキララメラメのドレスを身にまとった美人の白魔女は言いました。
「濃姫子ちゃん!死んではダ~メダメよ!」
「あなたは本当は長良温泉商店街を救うために生まれてきたのよっ!」
光り輝くその白魔女は、やさしく濃姫子にいいました。
「私が世界の救世主?」
濃姫子は自分のことが信じられない様子で言いました。
「世界の救世主とはいってないけどね・・・!
そうよ、あなたはアヘンシャーズのハルクンよ!特攻野郎Bチームよ!はくちん大魔王よ!
混迷したこの世の中に光をあたえるのよ!」
光の白魔女は魔法の杖を振り回しながら言いました。

「わたしにそんなことができるかしら?」
濃姫子は半信半疑で答えます。
「大丈夫よ!私が不思議パワーを与えますからね!
鮎菓子を1個食べるとや濃姫子ゴージャスに!
鮎菓子を2個食べるとハイブリッドじゃなくて、ハイブリッコ濃姫子に!
鮎菓子を3個食べるとサンシャイン濃姫子に変身することができるの!」
そう言いながら白魔女は、濃姫子に光の呪文をかけました。
濃姫子は不思議な光に包まれて、力がわいてくるのを感じました。
「白魔女様、なんだかパワーがみなぎってきた感じがしますわ!」
「さぁ商店街へ行きなさい!そして商店街を救うのよ~!!」
「パラポラピラリ~ン~!」
そういうと異次元の白魔女は光とともに異次元へ消えました。


商店街は大混乱しています。
濃姫子の行った悪事のせいでした。
「すみません、みなさん!みんな元に戻します!」
そういいながら鮎菓子を1個食べ、ラメラメのロングドレスを着た濃姫子ゴージャスに変身しました。
ものすごいスピードで、濃姫子はすべてを元に戻していきました。
硬結びの靴紐も、並べ替えたアンパンも、あっというまに元に戻します。
「みなさんごめんなさい!私は異次元黒魔女にあやつられていたのです!!」
「いいんだよ!濃姫子ちゃん!」
商店街の人々は、濃姫子を許しました。

そこへ突然、黒魔女が現れました。
「濃姫子!何をまったりと和気アイアイと和んでいるんだい!
はやく悪事を働かんかい!はやくやらないとお仕置きだよっ!」
そういうと黒魔女は濃姫子にむかって黒い煙を浴びせました。
ゲホッゲホッ!!
濃姫子と商店街の人々は、真っ黒な煙に包まれ苦しみました。
「苦しい!濃姫子ちゃん!助けてくれ!」
商店街のオジサンオバサンが叫びました。
濃姫子は鮎菓子を2個食べ、ピンクのフリルいっぱいのドレスを着たハイブリッコ濃姫子に変身しました!
「は~い!濃姫子ちゃんですぅ!ウフッ!!」
ウインクをしながらハイブリッコになった濃姫子は、高速で回転し商店街に充満した黒煙を吹き飛ばしました。
「は~い!濃姫子ちゃんはこんなこともできちゃうのよん!ウフフのルンルンよ!」
ハイブリッコ濃姫子はブリッコしました。

「え~い!こしゃくな奴めっ!こんなこともあろうかともう一人の濃姫子を作っておいたんよ!」
そういうと黒魔女は呪文を唱え、魔法の杖から黒い煙を出しました。
その煙からダーク濃姫子が現れました。
「この濃姫子は、お前のダークサイド・・・悪い心から作った濃姫子だよ!
能力も力も同じだけど、悪いことしかできないいんだよ!
ドンドロド~~~ン!」
そういいながら黒魔女はダーク濃姫子だけを残して消えていきました。

「おまえが明るく健全な濃姫子ね!ドヨ~~~ン攻撃を受けてみよ!!」
ダーク濃姫子は、ドヨ~~ンオーラを大量に吐きながら濃姫子と商店街をドヨ~ンとした暗い気分に変えていきます。
商店街のおじさんやおばさんはやる気を奪い取られ陰気な気分になってしまいました。
「もう駄目だ・・・やる気がしない・・・」
「人生おしまいだ・・」
濃姫子も何にもできない暗い気分に落ち込んでいきそうになりました。
「だ・・駄目だわ!こんなときには鮎菓子3個よ!!」
濃姫子は光り輝く金色のスーツを着た、サンシャイン濃姫子に変身しました。
「ううっ!まぶしい!!」
ダーク濃姫子ひるんだ隙に、濃姫子はダーク濃姫子を抱きしめました。
「大丈夫よ・・なにも恐れることはないのよ!世の中悪いことばかりじゃないのよ、いいことも一杯あるわ!!!」
濃姫子はやさしくダーク濃姫子の邪悪なオーラを自分の光のオーラで消していきました。
「もう大丈夫よ!あなたのダークサイドはもう光で中和されたわ!」
ダーク濃姫子は黒い色から、灰色の濃姫子”淡姫子”に変わっていました。
「そうよね、私がんばるわ!」
ちょっと暗い性格ですが、ダーク濃姫子は、良い”淡姫子”に改心しました。

「私たち清く正しいく生きて行きましょうね!」
濃姫子と淡姫子は、手を取り合って涙をながしました。
それを聞いていた八百屋のおじさんが言いました。
「濃姫子ちゃん、俺のところの2階の部屋が空いてるから、そこに住むと良いえーがね!」
「ありがとう!八百屋のおじさん!」
そうしてこうして、濃姫子たちの下宿先も決まりました。

それを電柱の影から黒魔女はコッソリ見ていました。
「おのれ・・・ちょっといい話的に終わりにしようって魂胆ね!!おぼえていなさい!!」
ののしりながら杖をふろうとしたとたん、足元にいた犬のジョンにほえられました。
「ワンワン!!怪しいやつめ!ワンワン!」
犬のジョンは魔法の影響で言葉が話せるようになってしまっていました。
「きゃぁ~~!犬は嫌いだよ!」
黒魔女は、近くにあったごみバケツをひっくり返して、やっとのことで逃げていきました。


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