さかいほういちのオオサンショウウオ生活

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昭和の風景 深深と深夜の深夜放送

2008年09月08日 00時22分56秒 | 小説
学生の頃は、とりつかれたように良く深夜放送を聞いたものだ。
「オールナイト・ニッポン」「ミッドナイト・東海」「走れ歌謡曲」「チャチャヤング」「パックインミュージック」etcetc・・・・
「オールナイト・ニッポン」「ミッドナイト・東海」「走れ歌謡曲」は良く聞こえるエリアだったが、「チャチャヤング」「パックインミュージック」は聴くのに苦労と一寸した技術が必要だった。
放送圏外の「チャチャヤング」や「パックインミュージック」を聴くためには、微妙なダイアル合わせを習得しなければならない。

しかし深夜というのは、勉強するためなのか深夜放送を聞くためか判らない時間帯だったなぁ。
オールナイト・ニッポンのハーブ・アルパートとティファナ・ブラスの「ビター・スゥィート・サンバ」が聞こえ、糸居五郎の「Go! Go! Go!!! And Go's On!!」の決まり文句が聞こえると、勉強の手を休めてその音楽に聞きいった。
糸居五郎のオールナイト・ニッポンでは、大人の音楽というものを勉強させてもらったような気がする。

走れ歌謡曲の「口笛天国(Whistling Jack Smith)」が聞こえると、もう朝は近かった。
夏だったら、もう外は白みかけている時間だ。
エンディングのレターメンの「ミスター・ロンリー」が聞こえると、本当に切ない気分になったものだ。

関西の深夜放送を聞くのは中々大変だったが、フォーククルセダーズの3人がDJをやっていた番組を聴きたくてダイヤルを微調整し続けた思い出もある。
ナチチャコの声を聞くのも周波数合わせに神業を必要とした。
チャコこと白石冬美には、1971年の中津川フォークジャンボリーでインタビューを受け、実物に出会ったこともあった。

東海ラジオの深夜放送に「ミッドナイト・東海」がある。
当時のDJは、森本レオ、りこたん・天野鎮雄・あべ静江・蟹江篤子などだった。
アナウンサーの蟹江篤子さんの放送では、「朗読コーナー」という企画があり、視聴者の自作の小説などの投稿作品を朗読してくれた。
私の小説も、ここで朗読され本になって出版された。
「夜と万年筆」、この本が私の最初の小説を掲載した本である。
この時、蟹江篤子さんのサインと共に東海ラジオの万年筆もいただきました。


男はつらいよ的旅

2008年09月07日 00時45分44秒 | 小説
「男はつらいよ」のDVDボックス「寅んく」が欲しい!
49話もあると、寅さんや、さくら、おいちゃんおばちゃんが実在の人物のように錯覚してしまう。
山田洋次の映画は、画面の端々にチラリと映される小道具にさえ気を抜かない、隙の無い映画だ。
床の間に置いた北海道土産の木彫りの熊とか、テレビの上にある人形とか、下町の家庭ならば「さもありなん」と思わせる小道具も、寅さんの映画にリアリティを与えている。
画面に映しだされる町の風景や路地裏や空き地に、小さな問題を抱えながらも慎ましく生きている、そんな庶民のささやか生活を感じさせてくれるのである。
また毎回、日本の旅の情景が見られるという旅番組的魅力もあったりする。

30代の時に日本中を回ったりした。
寅さんのように汽車ではなく自動車でだが・・・
沖縄と北海道を除いて、通り過ぎただけの県もあるが、ほぼ全県回ったと思う。
革の鞄には着替えのTシャツや温泉用のタオルを入れてあった。
写真は、その時使っていた鞄と帽子。
予定などないので、今日はどの方面に車を走らせよう・・・などと、気ままな旅だった。

あても無いのに有るよなそぶり
それじゃ行くぜ、と風の中
止めにくるかと あと振りかえりゃ
誰も来ないで汽車が来る
男の人生一人旅 泣くな嘆くな
泣くな嘆くな影法師 影法師