バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

地下鉄の上のバス乗り場

2014年04月25日 21時27分43秒 | バス運転士

夕方4時過ぎの営業所前ターミナル発… 比較的乗客が多い南方へ向かうバスだったが、発車時刻の2分前に乗り場へ着けた時には、乗客も10名ほど… 私は「この時間って、意外と少ないのかなぁ~」と思った。

発車時刻が迫るにつれて、1人また1人と乗客が走ってきて… 私は左ミラーと時計を交互に見ながら「今、走って来ているお婆さんが乗ったら、ちょうど発車時刻になりそうだ」と思っていたのだが…

そのお婆さんがバスに乗… 乗り… やっとのことで乗り込んで、「さぁ、ちょうど発車時刻だ」と思いながら、お婆さんが着席するのを待っているうちに… 新手の乗客たちが、地下鉄の出入口の方から走って来たのである。

そして、お婆さんの着席よりも早く、新手の乗客たちが1人また1人とバスに乗り込んで… その流れが何度か途切れそうになるのだが、やはり乗った人の着席を待っているうちに、次の乗客が乗ってくるという… その繰り返しになってしまった。

ようやく流れが止まって発車できた時には、乗客が40名くらいに膨れ上がっていて、発車時刻を1分30秒ほど過ぎていた… が、私は「ま、この路線は… いつも途中で時間調整するくらいだから、ちょうど良い遅れだったかもしれない」と思った。

しかし、そういう時に限って… それほど交通量が多くない道路なのに、なぜか車と人がなかなか途切れず… すぐにターミナルから出られなかった。結局、最初のバス停で3分30秒ほどの遅れとなり、その後も何かと時間を食うことが重なり… 終点まで回復することはなかった。

このように、“地下鉄の出入口に近いバス乗り場”は、発車のタイミングが難しい場合がある。地下鉄を降りてから、地上のバス乗り場へ来るまで… 老若男女が入り乱れているので、速い人もいれば遅い人もいて… どうしても人の流れがパラパラと長引いてしまうのである。

そうだ! このような混乱を避けるため、各バスの発車時刻の3分前には、地下鉄の出入口を閉めるようにしたら… ら… らぁ… バスの本数が多い時間帯は、開かずの出入口になったりして!? そりゃ駄目だ… みんな、バスにも地下鉄にも乗れないじゃん! ハハハ…(アホ!)


長野時代の職業病?

2014年04月24日 23時37分12秒 | バス運転士

先日の某総合駅行き… 某運動場を乗客ゼロで出発して、1つ目のバス停を通過して、2つ目のバス停に接近して行くと… 車椅子の人と付き添いの人が待っていた。車椅子の人が「お願いします」と頭を下げたので、私は「了解しました」と“禁止されている挙手”で応えた。

まずは車椅子用スペースの座席を2つ畳んで、次にスロープを出して… 2人が乗車して指定位置に移動している間に、私はスロープを片付けて… すると、付き添いの人が「転倒防止の横ベルトと、シートベルトをお願いします。あとは… 私が持っていますから大丈夫です」と言った。

そして、付き添いの人が横ベルトを付けてくれていたので、私はシートベルトを取り出して車椅子の人に… すると、なぜかベルトが一杯に伸ばしてあったので、思いっ切りユルユルだったのである。

当然、長さの調整をしなければならなかったのだが… その金具の部分が、水筒のヒモのような? 普通車の後部座席ベルトのような? そんな構造になっているので、ちょっとだけ時間がかかる。しかも、一杯に伸ばしてあったので、一旦ベルトを緩めたいのにスッと指が入らず…

そこで僅かな沈黙が訪れると分かった瞬間、私は「何か喋らなきゃ!」と思ってしまい、「こんなに伸ばしてあるけど… この前は、どんなに大きな人が乗ったんでしょうねぇ~」と口から出たのだった… 果たして、2人がどんな反応をしたのか? その時の私には、それを確認する余裕はなかった…

長野の営業マン時代、商談相手との間に沈黙が流れそうになると「何か喋らなきゃ!」と思って、ついつい仕事とは関係ない&どうでもいい話をしていたような… その頃の職業病が、まだ残っているのかも…(子供の頃、授業中に無駄口ばかりたたいて、いつも先生に叱られていたのは… 何処のどいつだぁ~!)


どこも苦情バッカ!

2014年04月23日 22時49分24秒 | バス運転士

交通情報などを表示する電光掲示板に“あわてずに なんちゃらかんちゃら なんとやら”という安全運転を勧める標語が出ていたのだが… 私は「昔だったら“あわてるな”という言い方だったと思うのだが… “偉そうに命令するな!”という苦情でも入ったのかなぁ~」と思った。

そんな話をしていたら、ある運転士さんが「以前“止まれ”の標識についても、苦情があったって聞いたことがある」と言っていた… さらに湿布薬のテレビCMも、以前は“痛みが取れなきゃ病院行けよ”だったのが、“病院行こう”に変わってしまったような…???

また、ちょっと前… ある朝の番組では「カエルのキャラクター(と言っても首から下は人間だった)を缶入りアルコール飲料のCMに使っていたら、“子供が飲んでしまうからやめろ”という苦情が入ったため、その企業はCMを流さないようになった」と… 加えて「熊本の焼酎の容器には、有名なクマのキャラクターが入っているけれど、そのような苦情は1件も入っていない」とも言っていた。

ホントにもう… 言う方も言う方だけど、受ける方も受ける方で…(ま、CMを中止することによって、イメージアップに繋がると思ったのかもしれないけれど…) これまでに何度も書いてきたように、ウチでも「片手運転は危険だから挙手禁止!」「(理由不明のまま)アイドリングストップミュージック禁止!」等々… ごく一部のつまらん苦情を受けてしまう風潮がある。

何事も、誰でも、もちろん私も… 甘やかしていると、知らないうちに“つけあがってしまう”ものなので… その内に… バス停で待っていた人が、到着したバスの運転士に何か質問をして… 「客が立っとるのに、運転士が座ったままとは… どういうことだ!」と苦情が入って… 「そのような場合… 今後、運転士は席を立ち、バスから降りて、質問に答えるように!」なんて言われたりして? ハハハ…(マジで、あるかも…)


車内ミラーを無力化する男

2014年04月22日 22時15分00秒 | バス運転士

朝の市内中心部行き… 車内通路に10名ほどが立っている状態でバスを走らせていた時… あるバス停で1人だけ降りるのを確認して、「まだ降りる人がいるかもしれない」と思って“一呼吸待ってから”中扉を閉めた… すると、1人の女性が慌てて中扉の前に立ったので、私も慌てて中扉を開け… その女性は降りて行った。

その後、少しずつ立っている人が減り… 僅か2~3人しか立っていない状態になったのだが、私は一呼吸待ってから中扉を閉めるという操作を続けていた。なぜならば、通路の前寄り中央に立ち、両腕を広げて左右の吊革を持って正面を向いている男性がいたからである。

おまけに… その男性は、私の視界を遮るには十分な体型をしていて… 私が見る車内ミラーは、ほとんどその男性で埋まっていた。さらに、怒っているのか何なのか分からないけれど… ジッと前方を睨み付けていたのである。決して、私を睨んでいたわけではない(と思う)のだが…

私が乗降客の動きを確認しようと車内ミラーを見る度に、そのオッサンの顔がドドォ~ンと私の視界に飛び込んできたのである。不愉快になりつつあった私の視線が、無意識のうちにオッサンの顔を避けてスーツに行き… 襟に付いている丸いバッジに気が付いた。

私は「ん? 小さくてハッキリ見えないけど… まさか… 今の私が付けているバッジと同じだったりして!? 委託元の職員が私の仕事ぶりを見て怒っているのかな? ま、いっか。ハハハ…」と思っていたのだが、終点に着くと、オッサンは何も言わず真っ先に前扉から降りて行った… なんだ、つまらん…

あぁ~ それがオッサンじゃなく… 若くて綺麗で優しい表情をした女性だったら、今日1日ずっとハッピーな気分で過ごせたのになぁ~! ハハハ…(以前“女性に気を取られて”バックでぶつけたボケが、また女性に気を取られてぶつけて… 今頃は反省文を書きながらブルーな気分になっていたに違いない!)


私のバスに現れた子供

2014年04月21日 22時05分25秒 | バス運転士

夕方、南方から営業所前ターミナルへ向かって運行中… あるバス停から3人の子供を連れた(1人は抱っこ)お母さんが乗り、みんな揃って一番後ろ… 車内観覧席に座った。そして、発車してすぐの交差点で信号待ちをしている間、「ワーワー」「ギャーギャー」「静かにしなさい!」という“親子の会話”が続いていた。

信号が青に変わり、バスが動き出すと同時に車内は静かになり、ブォ~ンと走って行くと… 一台の車が、信号のない横断歩道の手前で止まっていた。私は「へぇ~! この横断歩道で止まっている車なんて初めて見た」と驚いたのだが…

すぐに“どこにも人影が見当たらない”ことに気が付き… 次に“そこから100mくらい先にある横断歩道の押しボタン式信号が赤になっている”ことに気が付いた私は、「あの赤信号と、この横断歩道は関係ないよ!」と思いながらポンッとクラクションを鳴らした。すると、その車は慌てたように走って行った…

さて、母子4人が乗ったバス停から2つ目のバス停に到着すると、最後部の席から… 男の子、男の子、お母さん&女の子という順番に降りたのだが… 私がレバーを操作して、中扉が閉まった瞬間! 2番目に降りた男の子が、持っていたビニール傘でトンッと中扉を突いたのである。

私が「は!?」と驚いて固まっている間に、男の子は少し前方に移動して、今度はバスのボディーをトンッと突いたのだった… 私は「こんなことで、バスを止めたまま電話するのか? そんなバカな!」と思って、バスを発車させた。

それから十数分後、営業所前ターミナルに到着… 念のため、待機場所へ移動してからバスの中扉とボディーを確認したけれど、傷も凹みもなくてホッとした。しかしまぁ… なんというか… あんな子供だったら… “夜中に掛け布団を引っ張る子供”の方がマシかな? ハハハ…