夕方、あるバス停で数名が待っていた。先頭の学生さんがICカードをタッチさせて「ピピッ」と支払いをして、次の学生さんもICカードをタッチさせて「・・・」と… 「・・・」と… もう一度タッチさせたけれど「・・・」と運賃箱は無反応、画面に“大人200円、小児100円”と表示したまま… ついさっきまで普通に動いていたのに、突然うんともすんとも言わなくなってしまったのである。
そのカードに問題があるのか、運賃箱に問題があるのか… 迷った私は、次の男性に「タッチしてみて下さい」とお願いして、「それで大丈夫ならばカードの問題だろう」と思っていたのだが… やはり、運賃箱はうんともすんとも言わなかった…
そうなると運賃箱の問題… すなわち私が何とかしなければならない問題… そこで私は「チョメチョメ!」と復活の呪文を… 否、「復活してくれぇ~!」と祈りながらボタンをジィ~~~っと押したのだが… 相変わらず運賃箱はうんともすんとも言わなかったのである。
“電気系統のトラブルは、まずバスの主電源を切って、しばらく(1分くらい?)待ってから再び主電源を入れると復活する場合が多い”のだが、それをやるにはエンジンを切らなければならないし、室内灯も消えるので案内しなければならないし… とにかく時間がかかるのだ。
今回の私は「それは最後の手段として… その前に、ダメ元で運賃箱のスイッチをオフ、すぐにオンとやってみよう」と思ってプチッ&パチッ… すると運賃箱の画面が初期画面になり、ウィ~ンカタカタ… 待つこと30~40秒… 運賃箱に載せたままのカードが「ピッ」と反応、めでたしめでたし…
もしも、それで復活しなかったら… 主電源の入れ直しでも復活しなかったら… 営業所へ電話をして、間違いなく“短時間で”復活する保証はないし… ま、とりあえず「機械の調子が悪いので、お支払いは次回まとめてお願いします」と言って、終点まで行くしかないだろうなぁ~
いや、一つだけ… 入社当初から先輩運転士に言われていた“蹴っ飛ばす”という奥の手があるではないか! しかし、誰も見ていないならばまだしも、それを見た乗客は… 少なからず不愉快というか何というか… 変な気分になるだろう。が、もしも“運転士を蹴っ飛ばしたら、運賃箱が直る!”となったら、みんな喜んで蹴っ飛ばしに来たりして!? しかも、ヒールのかかとで思いっ切り… その後、ムチを使って… ロウソクまで…(こらこら、話が違う方向へ行ってるぞ!)