「ご乗車~ お忘れ物~」と言いながら終点に到着して両扉を開けた… が、人の動く気配がなかったので、私は「もう誰も乗っていなかったのか~」と思いながら、いつものように運転席から身を乗り出して車内を確認… と同時に、運転席の2つ後ろの席から一人のお爺さんが立ち上がり、前扉へ向かって来るところだった。
予想外の展開&急接近するお爺さんに、ちょっと動揺してしまった私は思わず「あ… 忘れ物、ないですかね」と声を掛けたのだが… お爺さんは「あぁ、大丈夫」と答えながら、掲示されている名札を見ているようだった。
そして「運転士さん、出はどちらだね?」と言ったのである。私は「昨年も何処かで同じ質問をされた記憶があるなぁ~」と思い出し、「きっと松井という姓について聞いているのだろう」と思って「親父は鳳来寺のある方です」と答えた。
すると、お爺さんが「あぁ、○○市だね。三河だね。人情に厚い良いとこだ」と言ってくれたので、私は「ありがとうございます」と答えた。続けて「お母さんは?」と聞かれたので、「母は知多半島の△△町です」と答えると「あぁ、あそこも良いとこだ」と言ってくれたので、私も「お気を付けて…」と言って見送った… 会話の内容に意味はないが、私にとっては意味のある会話だった。
また、港へ向かう途中のバス停では、普通の質問があった。私が中扉を開けたのに、一人のおばさんが前の方へ歩いてきたので前扉も開けたところ… 「◇◇二丁目に行きたいんだけど…」と言ったのである。
私は「どこかで聞いたことが… あぁ、すぐ後ろの交差点が“◇◇通一丁目”だったような…」と思い出し、「多分、その交差点の南方が二丁目だろう」とは思ったものの、自信がなかったので「すぐ後ろの交差点が◇◇ですけど…」と言ってみた。
すると、おばさんが「二丁目に行きたいんだけど、ご存知ない?」と言ったのに対して、私が「すいません、走ってな…」と答える間もなく、おばさんは「あぁ、ありがとう」と言って中扉から降りて行った… これでは、またもや“中途半端な知識で役立たず!”の評価だなぁ~
そして、終点に到着すると、助手席に座っていた優しそうな男性が何か言ったので、私は「ゲゲッ… また何か質問かな? 役に立てるかどうか…」と思って「はい!?」と聞き直したところ… 「いつも楽しいブログを読ませてもらってます」と言われたのだった… 突然のことで、私はただ「ありがとうございます」としか言えなかった。う~む、今後は御礼にチョコレートでも用意しておいて…(溶けてまうやろぉ~!)