昨日、もう一つ… ちょっとしたことがキッカケで遅れてしまった運行もあった。あるバス停で数名の乗車があり、一人のおじさんがICカードをタッチしたのだが、残念ながら残額不足だった。私が「まだカードからは引かれていませんが、どうされますか?」と言うと、おじさんは「じゃあ、現金で払います」と言いながら運賃箱へ200円を投入した。
バスが発車してすぐに降車ブザーが鳴り、車内中央付近に座っていたおじさんが立ち上がり… なぜか前方へ歩いてきたのである。私は「他社バスと勘違いしているのかな? それとも… 降りるのは他の乗客で、おじさんは質問があるのかな?」と思いながら、いつものように「ご乗車ありがとう~」と次のバス停で止まって扉を開けた。
すると、おじさんが「カードの補充はできますか?」と言ったので、私は「はい、できますよ。バスでは千円札のみになりますが…」と答えた。それに対しておじさんが「他の駅で入金したいので、さっきの返して欲しいんですけど…」と言ったので、「えっ!? さっきの200円を返金しろってことなのか? それじゃ、今回の支払いは…???」とプチパニックに陥ってしまった私は「え~っと…」と即答できなかった。
するとすると、おじさんが「カードはあるんですよねぇ?」と言ったので、私は「あ、いや… さきほどのカードに入金して何度も使うようになっていますので…」と答えた。それでも、おじさんが「カードが欲しいんですけど…」と言ったので、「何らかの理由で、もう一枚のカードが必要なのかな?」と思った私は「ありますよ。一枚2000円になりますが…」と答えた。
するとするとすると、おじさんが「そうじゃなくて… さっきのカードを返して欲しいんですけど… どこかにあるんですよねぇ?」と言いながら、その目でキョロキョロと運賃箱を舐めるように見回し… その指を使ってICカードのセンサーを開けようとしたのであった…(開かないけど…)
そこで、ようやくおじさんの話が見えた私は、おじさんが脇に挟んでいるセカンドバッグを指差しながら「あ… あの… さっきのカードならば、その… 財布の中かどこかに入っていると思いますけど…」と答えたのだが… おじさんは驚いた様子も見せず、ポーカーフェイスで「あ、そう…」と言いながらバスを降りて行った…
それにしても… “運賃箱のセンサーにタッチさせたICカードが消えてしまう”なんて勘違いをされたのは初めてで… “世の中には、いろんな人がいる!”ということを改めて知らされた私だった…(そういうオマエも言われてるんだろうなぁ~! 知らぬは本人ばかりなり…)