槍と銃剣

近世西洋軍事と日々の戯言&宇宙とか色々

EPUB規格準拠の電子書籍ビューアで縦書き対応

2009年12月22日 21時00分24秒 | Kindleや端末など
ACCESS、アジアの言語向けに縦書きテキストの表示・閲覧を実現する電子書籍ビューアを開発

EPUB規格準拠の電子書籍ビューアで、縦書き対応とのこと。
基本的にメーカーへの供給ソフトだが、
これがソニーリーダーに採用されるとかなり良いのではと思わせる。
もっとも、このソフト独自形式の縦書きフォーマット+EPUBといった感じなので、
業界標準となっていくかは不明だ。
だれもが手軽に縦や横(従来のEPUB)に変換できる形式なら良いのだが。

しかし、アマゾンも独自形式で縦書きに対応して行って欲しいな。
やっぱり縦書きがないと東アジアでのシェアが奪われていくような気がする。


魔術師クロンステッド(草稿その2)

2009年12月22日 00時28分07秒 | 大北方戦争+軍事史
魔術師クロンステッド(草稿その1)

 彼は1672年5月22日、ストックホルムに生まれた。1679年にルンド大学の学籍簿に登録されているが、これは当時の大学が高等教育を行うだけの機関ではなかっただけであり、特に珍しいことではない。1693年3月18日、彼はマルティン・クロンステッドの養子となり、貴族位を得た。大学での勉強を終えた後、彼は陸軍の砲兵隊に入隊した。そこで傑出した才能の片鱗を見せ始め、1699年27才で砲兵隊の工兵曹長(överminör )に昇進した。1年後に大北方戦争が始まると、1700年4月7日、彼は野戦砲兵連隊の副官となり、ナルヴァの戦いで初陣を飾った。この戦いでその勇敢さを発揮した彼は、1701年3月4日、砲兵少尉に昇進する。続いて彼はドヴィナ河渡河に参加した。この戦いで、彼は砲舟の一隻を指揮し、スウェーデン軍の渡河を支援した。
 以後、彼はカール12世の主力軍には従わず、リガの野戦砲兵隊に所属した。そして1702年2月11日に砲兵中尉。1703年6月1日、連隊兵站官と順調に軍歴を重ね、1704年、砲兵隊と伴にプロイセンに、1706年にはザクセンに赴いた。
そして1706年12月6日には工兵隊長(大尉)となり、ロシア遠征に参加した。
 砲兵が大いに活躍したホロウティンの戦いやベレジナ河渡河において彼は十分にその才能を発揮した。その後、1709年1月のVeprik強襲に参加した彼は、その年の春から夏にかけてのポルタヴァ攻囲においても包囲と監視の任についた。
 もっとも6月28日のポルタヴァの戦いに彼は参加していない。砲兵であった彼は、幸か不幸かポルタヴァの街の周辺で輜重隊と行動を共にしていたからである。こうして会戦においては何らの役割も果たすことができなかったが、続く主力の敗走において、彼は直ちに無傷の兵として活発に撤退を支援した。
 その中で彼は兵站監ユーレンクロークの下でペレヴォロチナの渡河点を探すべく偵察を行っている。しかしこの試みは無駄に終わった。1709年7月1日、追いつめられたスウェーデン軍は全面降伏した。そして彼もまたロシア軍の捕虜となった。ただ、幸いなことに捕虜生活は長くなかった。彼は直ぐさまロシア軍砲兵大尉との捕虜交換によって釈放されたからである。(もっともこれには異説がある。一つは逃亡したというもの、もう一つは、賄賂と引き替えに釈放されたというものである)

魔術師クロンステッド(その3)