2019年04月26日。中国電力(広島県広島市)は4月25日、日本アイ・ビー・エム(IBM/東京都中央区)と、燃料自給率100%、海外貿易黒字化寄与、為替リスク軽減、再生可能エネルギーで発電された電気(再エネ電気)を、ブロックチェーン技術(注1)を活用して顧客間で融通するシステムの実証試験を開始したと発表した。(1)システム概要:この実証試験では、ビジネス向けのブロックチェーン基盤技術を活用したシステムをIBMクラウド上に構築し、再エネ電気(太陽光発電)を供給する顧客と購入を希望する顧客をマッチングする、模擬的な電力の取引を行う。実際に計量された太陽光発電量と電力消費量を模擬データとして使用し、ブロックチェーン技術の適応性や新たなサービスの成立性を検証する。同社は、この実証を通じて、ブロックチェーン技術の適用に関する知見を獲得するとともに、デジタル化技術を活用し、電気事業のイノベーションや地域の課題解決につながる新たなビジネスモデルの検討などを行っていく。(2)P2P(Peer to Peerの略。ネットワーク上に存在する端末(コンピューター)が、一対一の対等の関係で通信を行うこと。)取引で余った再エネ電気は中国電力が買い取り:この実証実験では、まず再エネ電気を供給する顧客と購入を希望する顧客の取引について、高値の買い札から順に約定(30分単位)する。次に再エネ電気を供給する顧客の約定量は供給量に比例して配分する。そしてこれらの取引結果をブロックチェーン上に記録する。再エネ電気の供給量が購入量を上回る場合、余った再エネ電気を中国電力が買い取る。また、再エネ電気の供給量が購入量を下回る場合、マッチングできなかった顧客には中国電力が電気を供給する。(3)個人や企業間の電力取引に対応:住宅用太陽光発電は、2019年11月以降、固定価格買取制度(FIT)に基づく買取期間が順次終了(卒FIT)する。卒FIT後、顧客は、蓄電池の活用等による自家消費や、自ら選択した事業者への再エネ電気の販売をすることとなる。また、再生可能エネルギーなどの分散型電源や蓄電池の普及拡大に伴い、将来的には個人や企業間で電力取引が行われる可能性がある。そこで、同社は、取引記録の信頼性、システムの可用性等に優れるブロックチェーン技術を活用したP2P(Peer-to-Peer)取引について実証試験を行うこととした。P2Pは、顧客同士が、電力あるいは価値を直接やり取りする取引をいう。ビットコインなど仮想通貨の価値記録の取引に使用されているブロックチェーン(分散型台帳)技術は、その構造上、従来の中央管理者を排除し、参加者間での商品、サービス、情報をネットワーク内でセキュアに交換するツールである。高い改ざん防止性や、耐障害性を実現し、自動取引の実現などに向けた技術として期待されている。
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