鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

サーシャを継ぐ者ー宇宙戦艦ヤマト2202二次創作ー第一話

2019-01-30 01:39:02 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作


ーサーシャを継ぐ者ー
宇宙戦艦ヤマト2202
スピンオフ二次創作

第一話


ー西暦2202年2月ー


天の川銀河外洋
プラネット.アケーリアス.イレブン

宇宙戦艦ヤマトは惑星アケーリアスの第十一番目の衛星と言い伝えられる"プラネット・アケーリアス・イレブンに応急修理と補給の為、立ち寄っていた。
テレザート星でのゴーランド艦隊戦・ザバイバル駐留軍との激闘と戦闘に次ぐ戦闘で、ろくな修理も補給もままならないまま、地球防衛艦隊との合流を目前にしていた。
だが、波動エンジンが悲鳴を上げていた。
クラウス・キーマンの仕掛けた"反波動格子が悲鳴の原因の一つではあるが、その他にも、地球を万全な体制で発つ事が出来なかった事が、大きかった。
食料の原材料も底をつき掛けている事もあり、急ぎの航海ではあるが、"急がば回れ"と先人の古事に習い、立ち寄る事にしたのだ。

かつてこの宙域には"アケーリアスの太陽系"が存在したとクラウスからの情報を元に、近傍空間を探査、プラネット・アケーリアス・イレブンが最も地球に近い大気を有する惑星である事が解り、立ち寄ったのだ。
既に寿命が尽きる段階に入った年老いた惑星であった。
大気圏を突入すると、眼下には広大な海が飛び込んで来る。
大陸の八割は海に水没したのだろう。
一見、島に見える場所でも、その先を追えば大陸だったと解るくらいに水は透明度があり、透けて見えた。

「これより、着水に入る。」
「各部、姿勢制御スラスター点火!
ヤマトを操艦する北野が告げて来る。
航海長島と航海士太田は、修理と補給後の航路補正などのブリーフィングで第一艦橋を離れている。
その為、航海科も受講している北野が舵を握っていた。





「補給調査メンバーは第五格納庫へ。」
艦内アナウンスは森雪の交代要員の西条が行った。

森雪は今回、主計科長の平田の代わりに、補給調査メンバーとして上陸する事となったのだ。
平田は大が付く程の蟲嫌いである。
イスカンダル航海時に立ち寄った惑星ビーメラで、ムカデに似た巨大生物に遭遇、それがトラウマと成り、船務長である森雪に頭を下げたのだ。
森雪にしてみれば、調査チームリーダーの古代と行動を共に出来ると、願ったり叶ったりであった。

第五格納庫。
そこは、今ではヤマトのクルーなら誰しもが知っているが、三年前ガトランティスと遭遇し、「薄鈍色」の虚空間=(シャンブロウ)へ迷い込む事がなかったら、ほとんどのクルーは格納庫の存在すら知らなかったなであろう格納庫である。
そして、その第五格納庫には虚空間で活躍した「キ8型:試作宙艇」通称:「コウノトリ」が収納されている。
調査メンバーは虚空間調査の時とほぼ同じだが、パイロットとして同行するメンバーが航空隊の沢村から山本へ変更され、新見と桐生の代わりに同じ技術科の松井が加わり森と森のサポートとして、主計科から木村英樹これにアナライザーが加わる。

「第五格納庫、ハッチオープン!」
「オールグリーン!テイクオフ!!」
操縦悍を握る山本が告げて来る。

機体固定ハンガーから切り離されたキ8型宙艇はプラネット・アケーリアス・イレブンの大地を目指し、ゆっくりと降下して行く。


◆◆◆◆◆


古代たちが調査へと向かう同時刻、同プラネット・アケーリアス・イレブン沖に地球へ向かう一隻の恒星間航行宇宙船の姿があった。
それはイスカンダルの恒星間航行宇宙船シュヘラザードであった。

《サーシャ・澪・イスカンダル》イメージモデル
※古代進の兄、守とスターシャの間に産まれた娘。

「イスカンダルを旅立って三ヶ月かぁ。」
「長かったなぁ。伯父様(古代進)は驚くだろうなぁ。」

「私は今、地球を目指しています。」

「そう。私のお父様の故郷である地球。私にとって伯父様にあたるお父様の弟、古代進さんに会うために。」



だが、そんなシュヘラザードを付け狙う亜空間に潜む艦(ふね)があった。

《彷徨う死神》と異名を持つ亜空間潜航艦の部隊である。
テレザート星にてヤマトに壊滅させられたゴーランド艦隊とザバイバル駐留軍の代わりに、白銀の巫女:シファル・サーベラーが直轄の部隊をヤマト討伐に派遣した特務部隊である。

「サーべラー閣下。どうやらヤマトはプラネット・アケーリアス・イレブンに降り立ったようです。」
「焙り出しますか?」
通信用映像回線で会話する亜空間潜航艦リヴァイアの艦長ゼーラはサーベラーに伺いを立てた。

「そうだな。我ガトランティスをなめた代償は高くつく事を思い知らせてやれ。」

ゼーラが伺いを立てていた時であった割り込むようにレーダーオペレーターが慌ただしく告げた。

「ゼーラ艦長!」

「何事か!サーベラー閣下と対話中であるぞ!」

「同宙域に亜光速で飛翔する物体をキャッチ!!」
「識別からしてイスカンダルの船です!!」

「何ッ!?イスカンダルの船だと!」



「ゼーラ艦長。ヤマトを潰す絶好のチャンスという訳だ。」
「焙り出すのは後回しにし、イスカンダルの船を拿捕せよ。」

「御意!」
ゼーラはホログラムに片膝を付き、深々と頭(こうべ)を垂れた。



突然、シュヘラザードのコックピット内に響き渡る警報。
その警報と同時にシュヘラザードのマザーコンピュータ:サラのホログラムが浮かび警告した。

「サーシャさま、何者かにロックオンされました!」
「コレカラ防御体制に入りマス!」
「サーシャさまはシートに腰掛け、セーフティベルトを装着してクダサイ!」

「えっ何!?」
「ロックオン!?」

プラネット・アケーリアス・イレブン宙域に到達した澪のシュヘラザードは、突如、姿なき謎の物体にロックオンされてしまう。
あわてふためく澪のシュヘラザードは速度を亜光速限界速度まで上げ、謎の物体を振り切ろうとしていた。
だが、シュヘラザードのコクピット内は激しく警戒アラームは止まらない。
澪が窓の外、後方を覗き込むように見た時であった、シュヘラザード後部に光り輝くエネルギー弾が命中、激しく揺れるシュヘラザード。
澪は床に叩きつけられるように投げ飛ばされてしまう。

「サーシャさま、お怪我は?」
「スミマセン。次はカワシマス!」

「アッ!」

だが、シュヘラザードの速度は落ち、やがて慣性航行速度にまで落ちてしまう。
澪は救難シグナルを発信させ、コクピット後部にあるコンテナ室に身を隠した・・・


第二話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。

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