今日は明日の前日だから

わたしはおもう。わたしはつづる。あなたにみてほしいのは、あなたがあなただから。

桜色の涙。

2005-04-20 17:29:19 | Weblog
 君を思い出すと、瞬時に思い出されるのは君の涙。
 君はよく泣いた。たいていは彼、あたしと君の共通の友人。
「どうして好きなのに、伝えられないの?」
「どうしてほかのこにはやさしいのにあたしにはつっけんどんなの?」
そんなくだらないねたで君はよく泣いた。
 なんで涙が思い出されるか、っていうと、君の涙はいつも桜色だったから。
 比喩なんかじゃない。ほんとうの話。
 君のまるまっちい大きな目からひとつ、またひとつと流れる涙は確かに桜色だった。その証拠に、ティッシュで涙をふくと、ほんのりとピンク色の、それはもう桜色としか言いようのないほどの、美しいしみがついた。
 はじめてみたときは驚いた。
「ねえ、桜色だよ?」
あたしが尋ねると、君は当然、とでも言うように、
「あなたはちがうの?」
とたずね返した。

 あたしはもう君にはずいぶんあってないね。

 ことしも桜は散ってしまった。君の涙が落ちるように。
 でも来年も咲くだろうし、あたしは君を思い出す。

 それだけで、いいんだ。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
テストです。 (ギビ)
2005-04-20 17:40:17
こんなところですいません。

お知らせメール受け取れるかテストです。
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季節色の涙があればいいのに (Ken)
2005-04-20 19:23:38
春は桜色。

夏は海の色。

秋はふどう色。

冬は暖炉の色。



そんな涙だったら、悲しみも少なくなるのに。
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Kenさんへ。 (ギビ)
2005-04-20 21:39:39
わたしはすぐ泣いてしまうのですが、涙にもいろいろあったら泣き虫ライフ楽しめるのになあ、って思いました。
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こんにちわ (よよ)
2005-04-22 10:51:58
はじめまして。

お玉さんのところからやってきました。

その時々で、涙の色はきっと違うのでしょうね。

でもたいていはブルーなのかな?

ほんのりピンク色、いい色ですね。

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はじめまして。 (かなこ)
2005-04-22 14:27:31
ギビさん、こんにちは。

お玉さんのところから来ました。

涙の色、うーん、見えたらいいなぁ。

やさしい色の涙、悲しい色の涙…見ることができたら、もっと泣いてるあなたの心に届く言葉をかけてあげられるのに。

わたしも書いたお話を、送りますね。



ギビさんの言葉は、わたしの心にすっと入ってきます。

今後ともよろしくお願いします。
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よよさんへ。 (ギビ)
2005-04-22 15:11:12
はじめまして。じつはよよさんのこと知ってました。

今気付いたんですが、涙に色がある、ってタイトル忘れましたがこどもの歌にありましたよね。「そして世界中にちらばって今ではドロップス」
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かなこさんへ。 (ギビ)
2005-04-22 15:14:27
はじめまして。アーンド素敵なお話ありがとうございました!

泣き顔ってわたしはあんまりみられたくないんですが、色つきだったらちょっと違ってくるのかなぁ。
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素敵なお話ですね (さくら)
2005-04-23 09:45:39
何故か 自分の昔話を思い出してしまいました。

こんな美しいお話ではないんですけど(苦笑)

http://blog.goo.ne.jp/sakurashikidrops/e/5be3aad229e6dab237ac6907b1a63a5f



あっ 突然お邪魔してすいません(笑)お玉さんのとこからやって参りましたよ♪



じつは私のブログの名前「さくら式ドロップス」なのです。

変なところで共感してしまいました(苦笑)

初めて こちらにお邪魔させて頂くのですが とても興味深いお話が沢山。

BF2も支援させて頂いたのに今頃になってのコメント残しですいませんです。
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さくらさんへ。 (ギビ)
2005-04-24 18:57:00
初めまして、さくらさん。

今ちょっとケイタイからなのでみられませんが、後程お話読ませていただきますね。

ブログのタイトルも素敵だし、興味津々です。
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出遅れました・・・ (お玉)
2005-04-24 20:30:44
ギビさん、トラックバックを送っておいて

コメントがこんなに遅くなってごめんです。



ここに来てみてビックリ。

いつもお玉と恋の話で盛り上がっている乙女の

みなさんがお揃いではありませんか。(笑)





「桜色の涙」



とりあえず泣いてみて、カタルシスを得ることは

危ういバランスの精神を保つための

ひとつの手段かもしれないなと

この頃、感じています。





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