ねえ、わたしはあなたが大好きだったよ。
わたしたちは山に登ったね。憶えてる?わたしは少し先をゆくあなたの白髪まじりのひとつに束ねた髪がゆれるのをみていた。山に登るっていうのにネクタイをあなたはしていたね。笑われてたね。わたしも笑った。
体力のないわたしは歩けなくなってしまった。そしたらあなたは腰にまいていた上着の片方の袖をわたしにもたせて、ひっぱってくれたね。その上、わたしの荷物も持ってくれた。自分の荷物も重いくせにね。ありがたかったよ。
頂上でみんなでお弁当を食べたとき、生きてるな、って思ったよ。あなたはおにぎりをたくさん食べて、水筒にいれて持ってきたお茶をがぶのみしてたね。
一週間に満たなかったわたしたちのふれあい。
でもね、わたしはあなたを大好きになったよ。
もちろん恋じゃない。でも愛だったかもしれない。友愛、ってことばが似合うかなあ。
久しぶりにあなたたちの暮らす場に行ったんだ。あなたにももちろん会いたかった。でも、ついた日の次の朝に知らされたよ。
あなたがもうこの地上にはいないことを。
涙がとまらなかったよ。洟も。一緒に山に登った人が肩をやさしくたたいてくれたよ。
すごくすごく暑かったよ。山に登ったときも、すごく暑かったね。
ね、今どこにいるの?会いたい。会ってわたしがすごく元気になったことを伝えたい。
天国ってあった?よくわかんないけど、あったとしたら待っててね。天国なんて信じてないけど。
心からのありがとうと、この手からこぼれ落ちるさよならを。
じゃあね。
わたしたちは山に登ったね。憶えてる?わたしは少し先をゆくあなたの白髪まじりのひとつに束ねた髪がゆれるのをみていた。山に登るっていうのにネクタイをあなたはしていたね。笑われてたね。わたしも笑った。
体力のないわたしは歩けなくなってしまった。そしたらあなたは腰にまいていた上着の片方の袖をわたしにもたせて、ひっぱってくれたね。その上、わたしの荷物も持ってくれた。自分の荷物も重いくせにね。ありがたかったよ。
頂上でみんなでお弁当を食べたとき、生きてるな、って思ったよ。あなたはおにぎりをたくさん食べて、水筒にいれて持ってきたお茶をがぶのみしてたね。
一週間に満たなかったわたしたちのふれあい。
でもね、わたしはあなたを大好きになったよ。
もちろん恋じゃない。でも愛だったかもしれない。友愛、ってことばが似合うかなあ。
久しぶりにあなたたちの暮らす場に行ったんだ。あなたにももちろん会いたかった。でも、ついた日の次の朝に知らされたよ。
あなたがもうこの地上にはいないことを。
涙がとまらなかったよ。洟も。一緒に山に登った人が肩をやさしくたたいてくれたよ。
すごくすごく暑かったよ。山に登ったときも、すごく暑かったね。
ね、今どこにいるの?会いたい。会ってわたしがすごく元気になったことを伝えたい。
天国ってあった?よくわかんないけど、あったとしたら待っててね。天国なんて信じてないけど。
心からのありがとうと、この手からこぼれ落ちるさよならを。
じゃあね。