棄てなさい。
―はい。
立つのをやめ、うずくまると楽になります。
―はい。
自分の悪いところをあげてごらんなさい。
―はい。
いくつも、いくつも。思いつかなくなったら、思いつかぬことを恥じなさい。
―はい。
悪いところがしみだして、水たまりができます。澄んでいて、少しとろみがあります。
―はい。
そこに足を踏み入れた人、その人があなたを愛する人です。
―――はい。
足を踏み入れたのは畜生らしき毛の塊だった。正体がわからぬので、親しみをこめるのには努力が必要だった。
それは言葉を解さない。食べるものはなんでもよいみたいだ。屑籠ごと、生ゴミを食べる。
愛とはこういうものなのだろうか。
しかし、わたしにはわからない。
愛される必要以上に、愛されない損失を思うのは何故だろう。
美しい若い男がわたしの横を通りすぎた。汚いものを見る目と十円玉を投げかける。これは愛ではない。そう思うと少し楽になり、畜生に生肉でもやりたくなる。
―はい。
立つのをやめ、うずくまると楽になります。
―はい。
自分の悪いところをあげてごらんなさい。
―はい。
いくつも、いくつも。思いつかなくなったら、思いつかぬことを恥じなさい。
―はい。
悪いところがしみだして、水たまりができます。澄んでいて、少しとろみがあります。
―はい。
そこに足を踏み入れた人、その人があなたを愛する人です。
―――はい。
足を踏み入れたのは畜生らしき毛の塊だった。正体がわからぬので、親しみをこめるのには努力が必要だった。
それは言葉を解さない。食べるものはなんでもよいみたいだ。屑籠ごと、生ゴミを食べる。
愛とはこういうものなのだろうか。
しかし、わたしにはわからない。
愛される必要以上に、愛されない損失を思うのは何故だろう。
美しい若い男がわたしの横を通りすぎた。汚いものを見る目と十円玉を投げかける。これは愛ではない。そう思うと少し楽になり、畜生に生肉でもやりたくなる。