感染症内科への道標

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非炎症性髄膜での患者のCSFへのドリペネムの薬物動態

2013-04-04 | 抗菌薬・関連薬剤
Pharmacokinetics of doripenem in CSF of patients with non-inflamed meninges
Journal of antimicrobial chemotherapy 2012; 67:1722-1729

R.Nalda-Molina et al
中枢神経系感染の治療は脳脊髄関門への通過により困難となっている。
ドリペネムは最近、複雑性腹腔内感染症、複雑性尿路感染症に対してFDAより認可されている。
→今まで中枢神経系に対する移行データが無かったため今回調査 

38名で施行(脳麻痺、脳梗塞、多発性硬化症;いずれも感染所見が無い方)
抗攣縮剤のBaclofen trialの施行前抗菌薬として用いられた。 
(doripenem 500mg 30分+vancomycin 1g 2時間)
→Evangelismos General Hospitalで施行 
血漿、髄液サンプルは投与終了15分後、11時間後に採取

→データが得られたのは34名41血漿検体、49髄液検体 
→caucasian で平均体重76kg、年齢37歳 平均Ccr 128ml/min

解析;NONMEN 解析

kCSF=0.105h-1 PC=0.053 3*500mg量で0.20mg/L, 3*1000mgで0.40mg/Lの濃度を認めた。(80% prediction interval)
A mean equilibrium half life(定常状態までの時間)は6.6hであった。

kCSF (distribution rate constant) PC(CSF/plasma partition coefficient)

→500mg*3ではS.pneumoniae MIC90の0.25はきついが1000mg*3で達成できる。一方でP.aeruginosaはMIC90は0.50であり達成できない。 


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