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クラスター爆弾禁止へ

2007-06-10 19:23:53 | 日記・エッセイ・コラム

オスロ会議の時には、まだ日本の態度は禁止ではなく、不発弾が含まれる物も各国の自主規制に任せるべきだと言って、各国から冷たい目で見られていた。日本の自衛隊は陸海も不発弾を何割も入っている旧型のクラスター爆弾を所有している。

そのときの自衛隊の何某の言がすさまじかった。侵略に対して防衛をするときは不発弾が含まれ、国民に犠牲が出ても、使わざるをえない、と言ったものだった。日本ほどの軍備のある国を侵略しようと言う国があれば、クラスター爆弾で防御できるわけはない、と、これも冷笑ものだった。下の参考記事の中にもその言はうかがえる。

この言を先の会議のとき読んで、本音が出ているなと思った。軍部が権力を握れば、軍事力は国民の安全を守るためではない。かつての軍国国家(軍部)がそうであったように。ひとえに自分達の権益のためである。そのためには国民は奴隷に等しくなる。

こういうことからちらちらと先が見えてきても、まだ国民はだまされて憲法改正に向かうのだろうか。

司馬遼太郎が書いていた。戦争末期、本土決戦をひかえて九十九里にいたとき、九十九里から東京へ向かうとき、東京から逃げ出してくる避難民と遭遇することになる。そういう時どうすればいいのか、と指揮官にたずねると、蹴散らしていけ、と答えた、と。国民を守るはずの軍隊が、国民を蹴散らしていいものか、この国は狂っていると司馬さんは思ったそうだ。

過去のことのように思えるが、軍隊のそういう精神は生きている。

ともかくクラスター爆弾による被害が少しでも減ることを願って、狙いは何であれ、禁止に賛成することに拍手しよう。

参考記事:

■積極関与で実効性確保狙う

 1発の爆弾から多数の子爆弾を飛び散らせるクラスター爆弾の使用禁止条約を制定する動きが国際社会で強まる中、政府が、19日からジュネーブで開かれる特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)政府専門家会合で、制定に賛成の立場を表明することが、9日分かった。政府は禁止条約への態度表明を控えていたが、制定過程に積極的にかかわることで、即時全廃を唱えるノルウェー、ペルーなどを牽制(けんせい)。同時に米国、中国、ロシアといった生産・保有大国を巻き込む考えだ。

 外務・防衛両省による調整の結果、(1)CCW専門家会合や今年11月のCCW締約国会議に「基本的に賛成」の立場で臨む(2)「即時全廃ではなく代替兵器の開発まで十分な移行期間を設ける」「大量保有する米中露の参加も得て条約の実効性を確保する」といった日本の考えを条約に反映させる-などの戦略をまとめた。
 クラスター爆弾は米、イスラエル両軍などがイラク、アフガニスタン、レバノンといった紛争地で使用。「子爆弾の不発率は5~20%」(防衛省筋)とされ、不発弾で民間人が犠牲になるケースが出ている。このため、ノルウェー、ペルーや国際NGO(非政府組織)は非人道的兵器として全廃を求めている。

 しかし、CCWでの議論が進まないことに不満を持った有志国が今年2月、ノルウェー・オスロで2008年までの条約締結を目指す「オスロ宣言」をまとめた。これにより、オスロ・プロセスがスタートしたが、米国、中国は加わっておらず、ロシアもオブザーバー参加にとどまっている。
 久間章生防衛相は「攻撃用にクラスター爆弾を使うことは100%ない」と語っている。ただ、日本政府は、敵の侵攻を「面」で食い止めるクラスター爆弾を、海岸線が長く、離島の多い日本にとって敵の上陸を食い止める防御手段として不可欠との立場だ。

 それでも政府が条約締結交渉に前向きにかかわろうとしているのは、平成9年、橋本内閣時代に小渕恵三外相(当時)の政治判断で対人地雷の全廃を決めた事態の再来を懸念しているからだ。
 政府は当初、米中露不参加の対人地雷全面禁止条約の実効性は疑問として消極的だった。それが政治決断で条約に参加することになり、その結果、「北朝鮮、韓国を含めた周辺国すべてが廃止しない中で、日本だけが敵の上陸を食い止める能力を著しく減少させた」(陸自幹部)という。
 政府としては、急進色が濃いオスロ・プロセスではなく、米中露を含む100カ国以上が参加するCCWで議論を進めることにより、現実的な条約作りを目指す。
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