月水食堂のお弁当

地産地消と昭和の香りをコンセプトにした安くておいしいお弁当を届けます。

月光族、蟻族、鼠族

2014-05-04 08:55:40 | 日記
中国の経済成長は年々進化を遂げているが、格差社会の歪みが大きな問題となっている。

何不自由のない暮らしを満喫する富裕層になるには、元々財産のある家に生まれること、一流大学を出ること、そして、大手企業へのコネをもつことなどが条件であり、貧しい農家に生まれたら、どんなに能力があっても裕福にはなれず、食べて行くだけが限界なのだ。それが今問題となっている残留農薬、食品偽装に結びつく。

中国の若者にはいくつかの生活パターンに分かれた特徴があるという。

まず月光族。これはある程度収入にも生活にも余裕があるものの、預貯金をせず給料すべてを使い尽くし快楽的に生きる人々への総称で、刹那的に生きるその奥に潜む不安は計り知れない。

蟻族とは蟻の巣のように大勢でルームシェアし、家賃を浮かせているフリーターや低所得の若者の総称。
一生懸命勉強し、いい大学を出たものの、後ろ盾になるコネを持たず、思ったような会社に入れず現実の壁の高さに疲弊している若者たちの姿だ。

そして、一番衝撃的だったのは、仄暗い地下に住む鼠族と呼ばれる若者。

家賃は市価の三分の一。しかし、その環境の劣悪さは言うにおよばない。
本来人が暮らす環境ではないが、それでも北京市内には人口の20分の一ほどの鼠族がいるという。

その鼠族の一人、18歳で家出をしアルバイトをしながら地下で暮らす若者を追った番組を観た。
若者は、貧しい農家の長男で、夢を抱いて都会へとやってきた。しかし、現実は厳しく、学歴も身元保証人もない彼に光は射さない。半年ほど地下の小部屋で暮らし、やはり家に戻り農家を継ごうと思い直すが、親は自分たちの苦労をさせたくないと、都会でがんばれと追い返す。

たとえば彼が農家へ戻っても、苦労は変わらない。
貧困層への救済対策は進まないまま、中国の表の顔だけは輝きを増す。

なんと過酷な現実だろう。夢をみることすら許されないとは。

やりきれない。


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