憧れのビニール傘

今年は梅雨入りがとても早くて驚いた。

最近の傘は軽くておしゃれ、しかもお値打ちで日傘との併用もできる多機能さに満ちている。

保育園に通う頃、私の傘は黄色の防水加工された布製で重いものだった。

その上お古なので、開閉に力がかかり、閉じる時押す金具が錆びて硬くなり、よく指が挟まりとても痛かった。
だから私にとって雨の日の外出は憂鬱そのもの。

他の園児は軽くて見通しのよい透明のビニール傘を園の斡旋で購入していた。

軽そうで、きれいな傘。透き通った傘から流れ落ちる雨の雫は幻想的で、羨ましくてため息すらもれた。

私は雨でさらに重くなった黄色い傘をたたむ作業にどきどきしながら、やは
りため息。

しかも骨が数本折れていて、見た目も汚らしかった。

百均やコンビニでも購入できる安価なビニール傘が何故あんなに輝いてみえたのかな。