地震予知の研究で有名な研究者に、長尾年恭・東海大教授という方がおられます。長尾年恭教授らは、地下気象研究所(DuMA)という大学発ベンチャー企業を立ち上げ、有料の地震予知サービスを行っています。最近では、週刊誌やテレビ番組でも繰り返し紹介されています。
彼らの主な予知手法は「地下天気図」というもので、「地震活動が普段より静穏化している領域は、静穏化が終わった直後に大きな地震が起きる」という仮説に基づいたものです。長尾年恭氏らDuMAは、この「地下天気図」による地震予測を有料メルマガで配信しています(http://www.mag2.com/m/0001672594.html)。
では、この長尾教授による「地下天気図」、どのくらいの精度で地震を予知できているのでしょうか。今回は、2017年の地震予測を検証してみます。
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長尾教授は、『FLASH』という雑誌の2017年1月10日号において、2016年12月時点での「地下天気図」を紹介しています。
『FLASH』2017年1月10日号より
彼らの地震予測の予測期間は半年から1年ですから、この「地下天気図」は事実上、2017年に発生する地震を予測したものだと言って良いでしょう。では、この「地下天気図」に、2017年に実際に発生した最大震度5弱以上の地震の震源(赤丸)を重ねてみましょう。
・・・いかがでしょうか。「大地震の可能性が高い」と予測した場所には、強い地震が全く発生しなかったことがわかります。逆に、「大地震の可能性が高い」と予測した場所の合間を縫うように、強い地震が発生しています。これ以上ないというくらいの、見事な予測大ハズレです。
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以上のとおり、長尾年恭教授の「地下天気図」は、地震を予測できる理論であるようには、残念ながら全く見えません。2017年の予測に限らず、これまでの「地下天気図」も、大きな地震を全く予測できていないことも、以下に検証しております。よろしければご参照下さい。
長尾年恭・東海大教授ら地下気象研究所(DuMA)の地震予知について
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/5c6efb04c9686fd918750a7bd55cf5f6
だって地球は生きているから 人間ごときの都合よく動くわけないんですよ?
安心したいだけなんでしょうけど 人間なんて所詮 地球から見たら 塵のようなもんなんですよ。だから塵のことなんか考えるわけない。いつどこに壊滅があってもおかしくない。科学がどうのとかいうけど所詮塵でしょう 我々は。それをまず念頭においてから意見しなさい。
いわゆる「よくあたる」と持ち上げられている方々が主張されていることが、自身の主張に都合の悪いデータを無視したり、実際の観測データに反することを言っているのですから当然です。
しかし、くまなく読めばそうでないことも書かれています。
> まったく当たらないから役立たないみたいな言い方してますけど
有害そのものです。まともな根拠もなく有料で情報を発信し、しかも当たらないのですから詐欺的行為です。
「予知」とか「予測」などと言わず、「占い」と言うべきですね。
> 大地震はいつどこにきてもおかしくはないは 正解じゃないんですか?
阪神淡路大震災を経験してからは常識です。そんなエクスキューズにだまされてはいけません。
ところで,『いつどこで大地震が発生してもおかしくない』というのは,ネット上に地震予知をする人々が現れるよりも前から様々な場面で言われ続けていることです.
このことは日本における地震防災の基本(多少関心があれば誰でも知っていること)なので,正解なのは当然というか,別にこれを以てデタラメな地震予知をやってる人々のことを多少なりとも評価出来るようなものではないです.
そして,基本である『いつどこで起きてもおかしくない』から,例えば『◯月◯日前後に**県で』というところまで踏み込むのが地震予知なんですが,彼らに関して『いつどこで起きてもおかしくない』くらいしか正解と言える部分がないというのは,スタート地点から一歩も前進していない状態なわけです.
で,『スタート地点から一歩も前進していないのに,あたかもゴールが見えているかのように宣伝して,役に立たない情報に対価を要求する人々』が批判されるのがおかしいかというと…批判されないほうがおかしいでしょう(特に“あたかも”以降).ちゃんと研究の内容をどこかのジャーナルで公開した上で科研費取るとか寄付を募るとかいう形なら別に良いと思うんですが,そうではないですから.
最期になりますが,相手が合わせてくれなければ建設的な議論に繋がらないので,今後は今回の上から目線のコメントのような喧嘩腰のコメントはしないほうが良いでしょう(そういうコメントをして相手から返事が無くても自業自得でしかない).
最近はこういう書き込み無くなったなぁと思っていたのですが、久々きましたね。
>まったく当たらないから役立たないみたいな言い方してますけど ある意味 予知している人たちが注意している大地震はいつどこにきてもおかしくはないは 正解じゃないんですか?
うん、だから「予測」なんて言える代物ではない、批判しかされないようなデタラメだという:結論になりますよね?
>だって地球は生きているから 人間ごときの都合よく動くわけないんですよ?
その通りです。だから「的中した」なんてものは詭弁と言うことになるわけです。
>安心したいだけなんでしょうけど
予測商法を信じている人がね。その人たちはどんな対策を講じて居るんでしょうね。毎回どこそこが要注意なんて話に踊らされて。
前に何度か同じ事をリアルでもネットでも尋ねたことがあるんですが、一人も答えて下さらないんですよ。実に不思議な話なんですが。
批判することを批判して、あなたはどんな安心をしたいのですか?
>科学がどうのとかいうけど所詮塵でしょう 我々は。それをまず念頭においてから意見しなさい。
予測できたと言っている人は、みな「科学的に予測できた」と装っていますが、その方々も含まれているのでしょうね?
その事をまず念頭に置いて意見されているのですね? 見事な自爆です。
自分の論法で見事に返り討ちにあう。恥ずかしいなぁ(苦笑)。
でも、センスがある研究者なら、「偶然見つけたものが正解である可能性は低いはず」と考え、あらゆる否定的な検証を行います。
そして、どんな否定的な検証でも否定しきれない時に、「本物かも」と考えるのです。
高橋氏に限らず、「地震の前兆を見つけた」とか、「地震予知に成功した」とかいう研究者は、その手法をいずれも簡単に否定できてしまうところを見ると、「偶然見つけたものが正解である可能性は低いはず」と考えられるセンスが欠如しているのでしょう。
はっきり言って、研究者としての才能がありません。
ちなみに、彼らが主張する前兆現象が論理的に見つけたものではないことは、簡単に分かります。
仮に、論理的に見つけたものであれば、前兆現象の強度が理論と一致するかを確認しているはずです。
ところが、後付けの理屈はあっても、理論と観測値の比較をしている例は見当たりません。
ということは、偶々大地震の前に起きていた現象を「前兆だ!」と喚いているだけなのです。
低俗番組と同レベルの偽地震予知を肯定する気にはなりません。
もちろん、真面目に研究されている方を否定するものではありません。
そもそも気象学と地震学をさも同列に扱うのは大きな誤りと言わざるを得ない。
天気予報は地上、海上、高層の観測を日々刻々行い、観測衛星からの情報も得て大気の状態、現象を予測しているのに対し、地震が発生するプレートの状態の把握に関しては僅かな観測値しか得られていない。
さらに大気のような比較的一様な流体を扱う理論に比してプレートという一様とは言い難い個体のかみ合わせとその移動から生じる地震についての理論では後者のほうがはるかに困難であることは容易に想像がつくというものだ。