日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

直近の「事件」から 文章を読むことの難しさ

2021年01月27日 07時36分53秒 | 政治
 「ドイツのメルケル首相は11日、トランプ米大統領のアカウントを永久凍結したツイッター社の決定について、意見表明の自由を制限する行為は「法に基づくべきだ」と述べ、同社の対応を批判した。報道官を通じてコメントした。意見表明の自由を守ることは絶対的に重要だと強調した。メルケル氏は多国間主義の重要性を基本理念に据え、トランプ氏の「米国第一」の政治姿勢に対しては批判的な立場を取っている」(2021/01/11共同)
 ドイツのザイベルト政府報道官が発表したメルケル首相のコメントを世界中のメディアが報道した。上は日本で共同通信社が配信した日本語記事である。
この記事の一般的な解釈は、Twitter社が一方的にトランプ大統領のアカウントを削除してしまったことについて、メルケル氏は『いくら何でも一民間企業の所業としてやり過ぎではありませんか』とTwitter社を批判した。つまり、あの独善家トランプさんに対すると言えどもいくら何でもこれは「人権侵害」ではないですかと彼女が言ったかどうか?。ともあれ、「こんなことを民間企業がやるのはあまり良いことではありませんね」、と彼女が言ったというように、多くの人々は解釈した。筆者もまたそのようにこの記事を読んだのだが・・・。
 しかし、どうもこれは読みが浅かったようである。こういう読み方をしたのは、上の文章末尾に「メルケル氏は多国間主義の重要性を基本理念に据え、トランプ氏の『米国第一』の政治姿勢に対しては批判的な立場を取っている」という一行が、「にも拘らず・・・」というように、メルケル女史はあえて政治的に理念を共有しないトランプ氏と言えども、一企業(Twitter社)が彼のアカウントを剥奪するという侮辱は許さるべきでない、と主張したのである、と強調したように読めたためと思われる。ということは、外電の原稿にこの2行が付加されていたのか、共同通信の受電したデスクが分かり易くするためにこれを付加したのか?。つまり、前者であれば源情報が、後者であれば通信社が、メルケル氏の発言を読み違えたことになる。
 まあ、ことがあの傍若無人のトランプ氏であり、早晩、世界政治場裏から消えていく身なればどうでもよいようなものだが、しかし文章の書き方、読み方、伝わり方の難しさ、マスコミの在り様としてシロクロをしっかりつけておく必要はあるのではないかと思ったのである。
 


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