「自民党の二階俊博幹事長は5日の役員会後の記者会見で、東京オリンピック・パラリンピックについて、『自民党として開催促進の決議をしても良いくらいに思っている』と述べ、開催に向けて強い意欲を示した。また、東京五輪・パラリンピックを開催すべきだと考える理由を問われると、二階氏は『開催しないということのお考えを聞いてみたいぐらいだ』と強調した」(2021/01/05朝日新聞)。
この記者会見が行われた前日1月4日の全国コロナ感染者は総数3733人だったが、この翌日にはもう4912人へと25%も増加し、引き続き政府与党が緊急事態宣言発出を最終的に決めた7日にはその数は倍増して7570人へと突沸してしまっていた。こういうCOVID-19ウィルスがおごり高ぶっている折も折、政権中枢の権力者がオリンピックを「やらない」論理を訊いてみたいと言うのだが、パンデミックの猛火の中にあってなおお祭り騒ぎに興じたいという「自爆心理」を問いたいのは断然我ら「納税者」の方である。
政府は、8日午前零時を期して東京他周辺3県に緊急事態宣言を発し、そこにすむ住民に行動の抑制を通告した。新たに一両日中に大阪・兵庫・京都3県、更には愛知・岐阜・三重東海3県も同様の事態に陥りそうだ。これらの地域の宣言が解除されるのはいつのことやら見えなくなってきた。
かくて次々と追加・拡大して適用される「緊急事態宣言」が成功を収めて人々が再び元の生活に戻れる頃には、はや早咲きの梅の香りが漂っていることであろう。そして、この時期からワクチン接種を予定通り始めるとして、接種禍に不安を抱く国民を説得して全国民1億2千万人に対してこれが無事に完了するのはいつになるか?
以上は国内の話であるが、諸外国の状況はどうであろう? 世界は広く大きい。パンデミックの炎は間もなく感染者1億人、世界各地でウィルスは個性を変えながら夫々の形で猛威を振るっている。今夏までに確実に抑え込める国や地域は1つとして存在しないだろう。一部に無観客開催という声までが聞こえるが、それはもはやオリンピックでもパラリンピックでもない。
つまり、東京オリンピックは一年延期の判断が間違ったのである。いな、その前にこれを党利党略・私利私欲・権勢誇示をもって誘致した安倍氏とその政権与党の悪政の結果であった。神はそれを厳しく罰したのである。それが証拠に、当の安倍氏は昔の光今いずこ虚言の士として弊履の如く捨てられ、その後継の菅氏はもはや立っているのがやっとの権勢衰弱に陥っている。
「Yahooニュース」のネット世論調査「みんなの意見」によれば、「東京五輪・パラ、2021年夏に開催できる」とする回答は5.7%、「中止になると思う」は85.7%(13日7時現在)だ。国民はすでにとっくに覚めている。いな、実は石原慎太郎元東京都知事がひとり誘致を叫んでいる時から人々は冷めていた。「因果応報」、その時の「無理」が「道理」を引っ込め、今日の失敗に通じたのである。以上は、「オリンピックを開催しないということのお考えを聞いてみたい」と言う二階氏への一国民としての筆者の御答だ。
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