西洋と東洋の狭間

何かにつけ軌道修正の遅い国で有るが一端方向転換すると、凄い勢いで走り出し今までの良き所まで修正してしまう日本文明

鉄格子の彼方 「粋な男ジャン・ギャバン」

2006-04-27 05:08:04 | 映画
この作品は私が中学一年生の時に、(当時金曜、土曜日の深夜二度同じ洋画の古い作品をテレビ放映されていました。)何気なく見た事から、ヨーロッパ作品に、陶酔しましたキッカケになり又、ジャン・ギャバンの大ファンとなった個人的に思いの深い作品でした。残念な事に再び見たいと思い続けておりますが、未だめぐり合う事が叶っておりません。

1949年度、仏・伊提携作品、
監督 ルネ・クレマン※
  「禁じられた遊び」「居酒屋」「太陽がいっぱい」
出演 ジャン・ギャバン 
  「望郷・ペペルモコ」「現金に手を出すな」「ヘッドライト」「地下室のメロディ」「暗黒街の二人」
   イザ・ミランダ※
  「輪舞」「われら女性」「旅情」
   ヴェラ・タルキ ロベール・ダルバン アンドレア・ケッキ
1949年度・カンヌ映画祭、監督賞※、女優演技賞※、(グランプリ・第三の男)
1950年度・アカデミー賞、外国語映画賞

フランス・ピエール(J・ギャバン)は、行商人から掴まされたニセ札の他は無一文で歯痛に悩まされながら、ジェノバの港に着く、そこに港の娘チェッキーナ(V・タルキ)の案内で歯医者に行くが、ニセ札と分かり警察に連行される。そこでチェッキーナの母で給仕をしているマルタ(I・ミランダ)に出会う、好意を持った彼女はピエールをアパートに連れて来るが、マルタの前夫が娘を取り返そうと訪ねて来る。しかしピエールは男を追い返すのだが、その事から二人はより愛し合う様になる。

すでに人殺しのお尋ね者であるピエールは迷惑を懸けない為、船に戻るが乗船を拒否され再びマルタの許に帰り、自分の過去を打ち明ける。
マルタの愛は変わる事はないが、チェッキーナは二人に嫉妬をしピエールを港に返そうとする。又、ピエールに追い返された前夫は、都合の悪い存在のピエールを警察に告訴し、警察はアパートまで事情を調べに来る。やがて過去の殺人に疑いを持ち、捜査の手を伸ばしてくる。

何も知らない二人は仲良く買い物に行く、一方二人に警察のわなを知らせる為に、二人を捜すチェッキーナ。それを見た二人はそうとも知らず、彼女に見られない様に警察が待っている方へと逆に行き、捕まってしまうのでした。「お前の為にはこの方がいいんだ」と言い残し連行される彼の背中に虚しく「ピエール、ピエール、ピエール」と
叫ぶ声が響くのである。

ついつい、この家族のサイドで見ている人を引きずり込み、幸せであればある程、何か先の不安を抱かせ、少年である私が自分自身、あたかも頼もしい男ギャバン、になった様な錯覚でこの美しい女ミランダとの未来を心配する。ゆえに、ラストの引き裂かれた様な気持ちは言うまでも無く、ラストの叫ぶ声が余計に辛く突き刺さった思いの作品でした。
J・ギャバンの古い日本人気質に近い男としての演技とI・ミランダの母親、又それ以上の女性らしさが、そこまでの感傷を残させた事と言えるでしょう。


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございなす。 (kju96)
2006-04-27 06:54:40
昨夜、パリは燃えているかを見ました。

この作品は、DVDはありませんが

ビデオがあります。



何と言ってもフランスは

ジャン・ギャバンですね。



私のリアルタイムは

地下室のメロディーや暗黒街の二人です。



でも「望郷」「現金に手を出すな」「ヘッドライト」沢山見ました。



この映画も見ました。

イタリア・ジェノバが舞台ですね。

微かな記憶です。











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ルネ・クレマン (kju96)
2006-04-27 07:08:51
私の洋画デビューは

「太陽がいっぱい」でした。

小学生の頃、叔父に連れられて

見たのですが、まだ小さかったので

内容は分からなかったけど

音楽とヨット、海だけは鮮烈に

残りました。

その後何十回と見る事になりました。



映画好きの切欠がクレマン映画です。





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パリは燃えているか (SUKIPIO)
2006-04-27 12:04:30
早速のコメントありがとうございます。

昨日見られたんですか。

コメントとして的を得ているか自身はないですが、クレマン自身も対ドイツのレジスタンス運動されてたんですよね。

ドキュメンタリータッチはその経験からでしょうか。

又、豪華な配役でしたし、ゲルト・フレーベが引き立ててました。音楽も状況をより演出していたようにも思えます。
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ルネ・クレマン (SUKIPIO)
2006-04-27 12:15:16
私も 「太陽がいっぱい」はタイトル通り、いっぱい見ました。

その他作品も、良く見た様に思えます。

ほとんどの出演者が、良い評価を得られている事から、一般に言われています様に、キャスティングのうまさから、役者の魅力を引き出させるのが上手なのでしょうね。

またのコメントよろしくお願いします。
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太陽がー (たそがれ)
2006-04-27 19:15:14
 TB有難うございました。

 アラン・ドロンのあの有名作もルネ・クレマンでしたか。ミランザのことを無名の…と書きましたが、こちらの不勉強でした。



 次回は私は苦手でした有名女優ですよ。

 
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こんばんは (SUKIPIO)
2006-04-27 23:10:15
コメントありがとうございます。

私は、偶然小さい頃、この映画を見て、興味を抱くキッカケとなり、出演者二人(当時は特にJ・ギャバン)を鮮烈に記憶に留められただけですからね。

でも、今でも残っている事は、当時の自分に感謝をしたいぐらいです。



次の、投稿記事楽しみにしています。たまに私の投稿記事でのコメントお願いします。
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こんばんわ (kju96)
2006-04-28 01:19:59
SUKIPIOさんのブログを

私のブックマークに入れても

よいでしょうか?

よろしくお願いします。
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こんばんわ (SUKIPIO)
2006-04-28 02:27:05
ありがとうございます。

大変、光栄に思います。



私の様なブログで宜しければ、今後ともよろしくお願い致します。



この場をお借りして申し訳ございませんが、私も、初めての事なのですが、kju96さんのブログをブックマークに入れさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか。

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よろしくお願いします。 (kju96)
2006-04-28 03:05:22
情報交換しましょう。

有難うございます。
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おはようございます (SUKIPIO)
2006-04-28 07:49:29
こちらこそ、たいした情報等ないですが、有難うございます。
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