西伊豆(宇久須)だより

山・海そして里が広がる西伊豆町。都会の喧噪を離れて、一緒に豊かな自然、健やかな社会とは何か、探っていきませんか?

『地元学』!! ~森林環境を活かしたまちづくり~

2013-09-20 13:06:39 | 日記
 GEN関東ブランチの5月合宿での講演会「地元学」を聴いて発想を得て、下田高校南伊豆分校の生徒が福島先生の指導の下で、意見発表を行いました。
 ブログ「西伊豆(宇久須)だより」への掲載をお願いしたところ、快諾をいただいたので紹介します。


発表題目:  『地元学』!! ~森林環境を活かしたまちづくり~
発表者:  静岡県立下田高等学校南伊豆分校 園芸科  3年  渡邉 千晴

 「地元学」? なんだろう?? 面白いかも!? そんな気持ちを抱きながら参加を決めた西伊豆町宇久須まちづくり協議会の活動。「あるモノ探し」から始め、街にある休耕田、間伐材、元気なお年寄りを結びつけ、バイオ炭を利用しヤーコン栽培を行っています。

 この日の活動では、間伐材を薪にして無煙炭化器で炭焼きをしました。校外活動では、両親や学校の先生に教えていただいている時とは違う新鮮さを覚えます。交流を深めていく中で、集まっていたのは宇久須地区の住民と県外から勉強に来ていた「認定NPO法人 緑の地球ネットワーク」の会員の皆さんだということを知りました。「なぜ、遠方から、西伊豆町宇久須にこんなにもたくさんの人が集うのか」私は疑問を感じました。何時間もかけ、休日や休暇を利用して活動する価値ってなんだろうと思うようになりました。

 後日、立教大学の上田教授による「地元学」についての講演を聞かせていただきました。宇久須には、豊かな天城の森を源に今も農村文化が根付いています。そこで、大自然を校舎に集う人すべてが生徒となる街づくりカレッジを立ち上げたいという話でした。

 「面白い!!」南伊豆町でもできる!!そんなイメージがあふれてきました。そうです!キーワードは『つなぐ』。これまでに学んだことが、まちづくりのヒントになり、それぞれがつながる気がしたのです。まず、課題研究の授業で取り組んでいる古代粟「リバイブ100」の栽培普及とその利用方法の研究は、長者ヶ原を舞台に順調に進んでいます。また、休日を利用し、南上地区や吉祥地区での休耕田再生会の活動に参加し、稲作を実践しています。昨年度にさかのぼると、「森の聞き書き甲子園」へも参加し、南伊豆町青市の建築大工名人、高橋道安さんに取材をさせていただきました。高橋さんの「その土地で育った木が、その土地に一番なじむ」という教えが特に心に残っています。

 そのほかのたくさんの経験を含め、その一つ一つが「地元学」の講演を聞いたときに、つながりだしたのです。

 そこで考えたのが、『南伊豆つながるプロジェクト』です。

 目標は「豊かな里山環境、健やかな生活、若々しい社会」。その中で、モノが、ヒトが、情報がつながり、元気な町を創造していきます。

 たとえば、モノをつなぐ活動では、簡単に炭作りができる無煙炭化器を使用し、森の間伐材や製材の時に出た廃材を炭にします。出来た炭は、耕作放棄地での作物栽培に使うことで、微生物のすみかを増やし、ミネラルの供給と連作障害対策としての効果が期待できます。それだけでなく、水質浄化を目的に川や海にも使用し、赤潮を防ぐ事例も多く聞きます。

 そして、ヒトをつなぐ活動では、地区の間での学び合い、情報を共有することで新たなアイディアが生まれます。山から海までが非常に近い特徴を生かし、各地区の特徴を組み合わせることで新しい南伊豆町の魅力も発見できます。活動の中で感じた、異年齢の方との交流から学ぶものが多かったため、南伊豆町とその他との中で学び合う関係を築き上げることを目指します。そんな取り組みをしている町の魅力を発信していくのです。

 将来は、自然と地域と人をつなげることを目的としたNPO法人を立ち上げたいと考えています。まずは法人化し、地道な活動を続けることで、社会的な信用を得て地域との共同関係を築きます。 

 そうすることで、今まで町内各地で行われていた個々の多様な活動を結び付け、活動の輪をさらに広げていきます。現在南伊豆町に点在している豊かな自然を活かした活動それぞれの力を結集するのです。そして、人が集い活動することで森林、里山に人の手が入り環境循環の歯車を回転させていきます。その活動の中で環境学、地域学をまとめ南伊豆モデルを構築します。そのモデルを観光プランとして、より多くの人に売り込み、もっともっと南伊豆の魅力を発信し、世界中の人を呼び込んでいき情報をつないでいきます。

 モノ、チエ、チカラを市場を介さずに交換できる。そんな人と人とのつながり、地域と地域つながりをより強固にし「つなぐ活動」をとおして、町づくりに貢献していきます。
 取り囲んでいた南伊豆町がわたしを育ててくれました。取り巻いていた環境に大きな価値を見つけた今、私にとっての地球のまんなか南伊豆町で、人々が集う素敵な環境プラン『南伊豆つながるプロジェクト』を実現させます。