なんとなくそんな気持ちの日々に

本ブログは、もう更新の予定はありません。しかし閉鎖はせずに、記事を残しておきます。

事業仕分けがまたやってくる

2010-04-10 17:07:50 | 国内関係
 また事業仕分けがやってきます。こんどは、「現在57ある研究開発系の独法を整理・統合する方向」だそうです。

 前回の事業仕分けのとき、「ポスドクの生活保護のようなシステムはやめるべきだ」という発言があり、その結果かどうかしりませんが、グローバルCOEなど、研究員を雇うことのできる文部科学省の事業の予算は削減されました。

 事業仕分けによって、僕と同年代の任期付き研究員は雇い止めの危機にさらされていて(もうクビをきられちゃった人もいるようです)、こんどの事業仕分けによって、その数はもっと増えることでしょう。

 大学院博士課程までいってしまうと、民間企業への就職は少し難しいのが現状です。また、就職できたとしても、博士号がお給料に反映されることは稀です(その意味で、日本は学歴社会ではありません。むしろ学閥社会です。)。

 本来、こんなことをしないとポスドク問題は解決しないはずです。

 ・履歴書に年齢を書いてはいけないことにする(アメリカではそうなっています)
 ・国家公務員に博士号取得者の枠をつくる(官僚の多くが博士号を持っていないのは、おかしい)
 ・公的機関である程度のポストにつく時は博士号がないといけないことにする(国連など国際機関では、博士号をもっていないと昇進できません)
 ・大学院教育でキャリアパス教育をいっそう充実させる(現在、教員側の頭が固いせいか、思うような結果がでていないような気がします)
 ・日本育英会奨学金は博士号を取得したら返済義務を免除する(研究へのモチベーションを高め、研究職にしがみつかないために必要です)

 と、こんなことを書くと、「そんなに優秀だったら海外に出て行けwww」と研究コミュニティ外の人から言われます。実際、アメリカやイギリスなどに行っている人も少なくありません。そして、人材流失は、北朝鮮ですとかイランですとかそういった国に、たとえば核物理学を専攻した若手研究者が職をもとめて行くことも、可能性はとても低いですが、ありえることです。

 最近、途上国における自然環境の破壊が先進国への移住につながっているという説が出されているのですが、日本の研究環境の悪化は途上国への研究者の移動移住につながるかもしれないなぁ、なんてことを妄想しています。