なんとなくそんな気持ちの日々に

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明日から水俣へ

2007-11-22 22:03:08 | 国内関係
チッソ、新救済案を拒否 「補償問題、訴訟で決着」毎日新聞 - goo ニュース

 仕事で水俣に行くことになってしまった。せっかくなので、今日は水俣についていろいろ勉強していた。こういうとちょっと問題があるかもしれないが、「面白い」都市である。
 水俣は、どうしても「水俣病」のイメージが付きまとう。今でも、その被害に苦しむ人が多々おり、また農産物も「水俣産」ということがわかると倦厭される傾向がある。その負のイメージを乗り越えるべく、水俣市では環境政策にずいぶん力を入れているようである。また、「サラダたまねぎ」という新たな名産物も評判をよんでいるようである。
 水俣市では、現在、IWD東亜という企業による大規模な産業廃棄物最終処分場建設の計画が持ち上がっている。昨年の市長選挙では、これが争点となり、明確に反対を打ち出した宮本勝彬氏が当選をしている。市のホームページを見ると、産業廃棄物最終処分場問題のコーナーが設けられており、市民団体とともに反対運動を行なっているようである。行政が市民団体とともに反対運動を行なっている例は興味深い。どうやら、市には法的にこの計画を止めさせるだけの権限がないらしく、地道な反対運動を行なうより方途がないようである。
 そして、水俣病を引き起こしたチッソとの関係は、水俣市がかかえる最大の苦悩である。チッソは資本金78億の大企業であり、現在でも水俣市に「水俣本部・水俣製造所」を置いている。水俣市民の中には、チッソで働いている人びともおり、市の経済・産業面で重要な位置にあることも事実である。チッソは、水俣病の原因となったメチル水銀はもう出していない。しかし、現在でも、水俣市・百間排水路の堆積土砂の高濃度ダイオキシン問題を引き起こしいる。環境と経済が複雑にからんだ問題の難しさを示す都市である。
 せっかくの連休が水俣での仕事でつぶれてしまうのはシャクなので、現場がどうなっているのか、この目で確かめて研究に生かしたい。