ワールドカップを目前に控え、南アフリカに関する記事が増えています。ですが、その多くが、南アの犯罪率の高さに関するもののような気がします。
今日もこんな記事が産経新聞から配信されています。「南アフリカW杯 犯罪の背後に貧困と格差」 南アフリカの性的暴行事件についての記事で、ショッキングな内容です。
産経の記事でとりあげられている犠牲者のユーディ・シメラニー(Eudy Simelane)さんについて、英語版のウィキペディアでも取り上げられています(ソース)。このウィキペディアの記事によると、シメラニーさんは南アフリカ女子サッカーの代表選手であるとともに、LBGTの運動を行っていました。また、クワ・テマ(Kwa Thema:南アフリカ・ハウテン州イーストランド地域のスプリング市の南西にあるタウンシップ(アパルトヘイト時代の非白人居住区))では、はじめて同性愛者であることを明らかにした人たちのうちの一人でもあります。そして、産経の記事にもあるように、「性の矯正」のターゲットとなって殺害されてしまったのです。
「性の矯正(corrective rape)」とは、聞きなれない言葉ですが、ウィキペディア英語版によると、「レズビアン女性の性的指向を『治療』する手段と称し、男性が当該女性をレイプする犯罪行為」であり、2000年代初めからレズビアン団体が使いだした言葉のようです(ソース)。
まさに「驚くべき」ことです。しかし、こうした事件は、ワールドカップ以前から発生しています。おそらく、イギリスやアメリカで同種の事件が発生しているのであれば、瞬時に日本でも報道されることでしょう。ですが、アフリカで発生する事件は、なぜかそうではない。今回、たまたま南アフリカでワールドカップがあったからこそ、産経新聞でも取り上げたのでしょう。
日本のメディアは、アフリカにあまり駐在員を置いていません。たとえば、某大手新聞社ですと南アフリカに1人置いているだけです。某テレビ局になると、なぜか中東のカイロ支局がアフリカ大陸をカバーすることになっていると聞いたことがあります。そして、駐在員の人が一生懸命取材をして、アフリカの記事を書いても、なかなか編集部の方で取り上げてもらえないようです。つまり、一般的に、アフリカは「ニュースバリューがない」のだと。今年は、南アフリカでワールドカップがあったから、「ニュースバリュー」があがったにすぎません。
南アフリカは、たまに「世界の縮図」と呼ばれることがあります。歴史的な黒人と白人の対立と解決のみならず、グローバリゼーションがもたらす社会的なひずみが見て取れるという意味です。悪いことだけではありません。多様な民族と文化は、魅力的な力をもっています。こうした意味で、彼の国に行ってみると、いろいろ考えさせられます。ですから、ワールドカップ云々を抜きにしても、「ニュースバリュー」が低いとは、ちょっと考えられません。むしろ、丹念に取材をすることで、世界的な問題が見えてくる国です。
また、南アフリカのみならず、アフリカ大陸と日本がまったく縁がないかというと、これまたそうではないのです。アフリカ大陸にも、日本企業が進出していますし、さまざまな鉱物資源がアフリカから日本へ輸出されてますし、日本人だって住んでいます。そして、ODAも行われています。なぜ、日本のメディアはアフリカに目を向けてこなかったのでしょうか。
ワールドカップ以降、マスメディアが南アフリカ、そしてアフリカ大陸にもっと目を向けるようになってくれればと思っています。
今日もこんな記事が産経新聞から配信されています。「南アフリカW杯 犯罪の背後に貧困と格差」 南アフリカの性的暴行事件についての記事で、ショッキングな内容です。
産経の記事でとりあげられている犠牲者のユーディ・シメラニー(Eudy Simelane)さんについて、英語版のウィキペディアでも取り上げられています(ソース)。このウィキペディアの記事によると、シメラニーさんは南アフリカ女子サッカーの代表選手であるとともに、LBGTの運動を行っていました。また、クワ・テマ(Kwa Thema:南アフリカ・ハウテン州イーストランド地域のスプリング市の南西にあるタウンシップ(アパルトヘイト時代の非白人居住区))では、はじめて同性愛者であることを明らかにした人たちのうちの一人でもあります。そして、産経の記事にもあるように、「性の矯正」のターゲットとなって殺害されてしまったのです。
「性の矯正(corrective rape)」とは、聞きなれない言葉ですが、ウィキペディア英語版によると、「レズビアン女性の性的指向を『治療』する手段と称し、男性が当該女性をレイプする犯罪行為」であり、2000年代初めからレズビアン団体が使いだした言葉のようです(ソース)。
まさに「驚くべき」ことです。しかし、こうした事件は、ワールドカップ以前から発生しています。おそらく、イギリスやアメリカで同種の事件が発生しているのであれば、瞬時に日本でも報道されることでしょう。ですが、アフリカで発生する事件は、なぜかそうではない。今回、たまたま南アフリカでワールドカップがあったからこそ、産経新聞でも取り上げたのでしょう。
日本のメディアは、アフリカにあまり駐在員を置いていません。たとえば、某大手新聞社ですと南アフリカに1人置いているだけです。某テレビ局になると、なぜか中東のカイロ支局がアフリカ大陸をカバーすることになっていると聞いたことがあります。そして、駐在員の人が一生懸命取材をして、アフリカの記事を書いても、なかなか編集部の方で取り上げてもらえないようです。つまり、一般的に、アフリカは「ニュースバリューがない」のだと。今年は、南アフリカでワールドカップがあったから、「ニュースバリュー」があがったにすぎません。
南アフリカは、たまに「世界の縮図」と呼ばれることがあります。歴史的な黒人と白人の対立と解決のみならず、グローバリゼーションがもたらす社会的なひずみが見て取れるという意味です。悪いことだけではありません。多様な民族と文化は、魅力的な力をもっています。こうした意味で、彼の国に行ってみると、いろいろ考えさせられます。ですから、ワールドカップ云々を抜きにしても、「ニュースバリュー」が低いとは、ちょっと考えられません。むしろ、丹念に取材をすることで、世界的な問題が見えてくる国です。
また、南アフリカのみならず、アフリカ大陸と日本がまったく縁がないかというと、これまたそうではないのです。アフリカ大陸にも、日本企業が進出していますし、さまざまな鉱物資源がアフリカから日本へ輸出されてますし、日本人だって住んでいます。そして、ODAも行われています。なぜ、日本のメディアはアフリカに目を向けてこなかったのでしょうか。
ワールドカップ以降、マスメディアが南アフリカ、そしてアフリカ大陸にもっと目を向けるようになってくれればと思っています。