探偵団 9

2019-12-19 06:29:30 | 日記
トントン…。

S君が落ちていた箒の柄のようなもので天井を叩いた。

「やめろよ!」

「何か返事したりして」

「するわけないよ!」



『トントン…』

天井からだ…。


「キャー!」

Mちゃんが逃げ出した。



Mちゃんの悲鳴で、耐えきれず私達も空家を飛び出した。





光る空家は、それからも見物人を集めている…と噂を聞いたが…、私達はもう一度ソコへ行こうとは言わなかった。



それからしばらくして…その光る空家の謎が解けた。



空家に向かう道を車が通る時、車のライトが例の鏡に反射しての光だったのだ…。



こうして、謎探偵団は輝かしい?一歩を踏み出した。



ただ、もうひとつ…。



例の光りの騒動が終わって数か月経ってから、たまたま夜に、従兄弟のお兄さんたちとその空家付近を通りかかった。



「ここ…例の光る空家」

「あぁ、例の…」

光る空家が見える場所にお兄さんは車を止めて降りた。

「え?降りるの?」

噂の真相が解明されてからは、人が集まっていた場所には誰もいない。

「車のライトなんだよ、ホラ」

確かに、自分たちの車のライトが写って光が現れていた。

「ホントだ。」

「だいたい、幽霊騒動なんてそんなもんだよ」

「あれ?動いてない?」

「気のせいだよ。こっちが動いてなければ動くわけないよ」

「そっか…」

お兄さんたちが笑いなが車に乗り込んだ。

私が一足遅れて車に乗り込もうと、もう一度振り返った時、例の光が消えた。

自分たちの車のライトは点いているのに。

また、すぅ~っと光が現れ、点滅をしながら
、上に昇っていった。

少なくとも、車のライトの反射が鏡に写ったものではあり得ない動きだった。

お兄さんたちにはもう、動いた光の話はしなかった。

探偵団の仲間たちには、少なくとも車の光ではあり得ない動きをした話をしようとしたが、また、出動する!と言い出しそうで…それが怖かったので、もう光の話はしなかった。

探偵団の更なる活動はまだまだありますが、それはまた今度❗


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