ヒトコワ9

2024-04-10 08:50:33 | 日記
次のゴミの日、早く起きて、まだ日も上がらない明け方、ゴミを出してきた。

油断は出来ない。

それでもゴミを持ってくるかも知れない。

『カタン…』

隣の宮本さんが、ゴミ出しに出掛けるんだろう。

帰りに自分のゴミを持って帰って来たら、「違いますよ」と、言い逃れは出来ない。

安子は、玄関の扉に耳を当てて、宮本が戻って来るのを待った。

…なかなか戻らない…。

どうしたんだろう…。

え?もしかしたら?

…あわてて扉を開けた。

やっぱり…。

さっきの『カタン…』という音は、既にゴミを持ち帰って、安子の部屋の前に置いた音だった…。