ヒトコワ29

2024-06-25 09:03:48 | 日記
反撃河合さんは、容赦無かった、

次の日も次の日もゴミの日はゴミ収集場所に立ち、宮本さん対策をしただけでなく、今度は宮本さんのゴミのチェックを始めた。

安子は、「やりすぎなのでは…」と不安になったが、「私は、徹底的にやるタイプなんです!」と、一歩も引き下がらなかった。

宮本さんのゴミを開けては、細かくチェック。

燃えるゴミの日に、『これは燃えないのでは?』と思われるものを分別しては、宮本さんの家の扉の前に置いた。

来る日も来る日もソレをやられたものだから、宮本さんは不動産屋に苦情を言ったらしいところまでわかった。

とにかく、河合さんの反撃が半端ない。


ヒトコワ28

2024-06-21 10:23:45 | 日記
そのあと、しばらく捨てたゴミが戻る…という事が続いた。

安子の時は、2 度ほどで止まったが、河合さんへの嫌がらせは4度目だ。

同じ嫌がらせでも、安子と河合さんとはどう違うのはわからないが、彼女へのゴミの嫌がらせが終わらない…。


河合さんは、業を煮やしていよいよ行動に出た。

おそらく河合さんが捨てるゴミを確認するために、早めにゴミ捨て場所にいるのかも知れない…と、思った。

それを、見越して、まずは、かなり朝早くごみ捨て場所に行った。そして、万が一にも、捨てたゴミを開けて確認されないように、その場で粘った。

すると、そそくさと少し遅れてゴミ捨てにやって来た宮本さんにしっかり笑顔で挨拶をした。

そして、宮本さんがごみ捨て場所から帰るまで、仁王立ちをした。


ヒトコワ 27

2024-06-18 09:50:46 | 日記
引っ越してきて一週間の彼女、河合さんは、物怖じしない気の強そうな女の子だ。

「困りましたよね…。このままでもいけないし、何とかしないと…」

安子が困ったようにつぶやいた。

「私も、やられたままでは嫌です。何とかしないと…」

「今度、ゆっくり、お茶でもしませんか?」

「そうですね。作戦会議をしましょう。」

…こんなやり取りを部屋の中から、宮本さんは聞き耳を立てていたのかも知れません。

宮本さんの家の扉を内側からドスン!と蹴る音がした。



ヒトコワ26

2024-06-15 08:22:39 | 日記
「どうかしたんですか?」


「これ…💦」

若い女性は、スーパーの袋を見せた。

「これ、ゴミなんです。今朝捨てたゴミが返ってきて…。宮本さんなのはわかっているんです。」

…私の時と同じことをしている…。

彼女は隣の隣に越してきて一週間。

はじめはごみ捨て場所を教えてくれた宮本さんを親切だと思った。

ゴミの捨て方には問題は無いはずなのに、2日続けて自分のゴミを部屋の前に戻してくる。

気になってごみ捨て場所に戻ったところ、ゴミを持ち帰ったのは宮本さんだった。

「実は、私も同じことされたの」

彼女は驚いたが、妙に納得した顔をした。

「私の実家にも同じような事をするおじさんがいるんです。自治会で問題になって、大騒ぎをして、それ以降もめ事は収まりました」


ヒトコワ25

2024-06-11 10:01:23 | 日記
毅然として過ごしたせいか、それからは目立った嫌がらせは無かった…。

いや、そもそも、嫌がらせを受ける理由など考えられないんだが…。

それから数ヶ月経った。

「宮本さん!宮本さん!」

数ヶ月経ったある朝、悲鳴に近い声で目が覚めた。

そっと玄関を開けて通路に出た。

すると、ジャージ姿の若い女性が宮本さんの家の扉を叩いている。

安子が扉を開けた音を聞いて振り返った。

「あ、すみません💦💦」

「どうかしたんですか?」