風通庵-直言

ヨモヤマ話

同和特権と同和貴族

2006-08-30 21:42:21 | Weblog
 同和対策事業特別措置法が制定されたのが確か昭和44年で、失効したのが57年、記憶に間違いがなければ、こうだ。特別措置法だからいわば時限立法。
 特別は特別でいいが、法律の名称が「事業」で、事業活動の特別措置と思いきや、なかなかどうして、事業活動を通じて地区全体の諸問題の解決を計り、差別をなくす。と、詳しくは、同法の事業目的に明らかだ。
 
 同法制定に当たり、かえって差別を助長すると反対の意見もあったようだが、敢て表面化して、もう一度戦おうと闘争派が押し切った、とか、そんなこと聞いたように思う。で、結果的にどうであったか、特権と貴族を生み出した。大阪と京都で、いままだ、その残照が見られる。両方の市長の解決策は、ちょっとズッテいる、のでないか。的を射ていない。

 地区と一口に言っても、地方などで、大企業の工場などのある地域では、豊かで、いまさら差別を助長するような事には反対と言いそうな、いや、言ったであろうと想像する。一方、貧しさの極にある地域もあるにはあるが、普通に見渡して、同和事業の推進者が言う「貧しさ」「汚い」が「差別」に通じるとの古典的見解を論じて止まない、いや、これも過去の話ではあるが。
 田舎で、鉄筋の二階建て住宅が整然と立ち並ぶ、敢てどうと言う事もないが、聞かなければそれまでだが、あれ、元の地区だと聞くと、やっぱり、となる。鉄筋住宅に家紋をつけたり、門塀の上に意外な装飾をおいたり、ちょっと趣味が違う。やっぱりなァ、となると、これが逆差別になってくる。寝てる子を起こしたも同じだが、これが、同法による恩恵の一例。

 この同和対策事業で、高校も設立されている。の学校として。これも地域によって相当の違いがあるが、それはそれはひどいところもあったやに聞いている。文科省よりが上で、の中に文科省があるような、そんな思想の持ち主がPTAの役員になって学校を牛耳って、先生の指導が行き渡らない、荒れに荒れて、廃校寸前までいった、そんな事例もある。
 の高校と言っても、以外の子女も入学するから、両地区間の男女の交際を、差別をなくすると言う建学の精神から、学校もむしろ好ましい傾向としているし、もとより生徒同士はなんのワダカマリまないが、父兄からはいろいろと意見が出て、学校の指導に不満、退学もありとか。だいたいが、地区の男子生徒と地区以外の女子生徒と言う組み合わせで、卒業後に結婚する、そんなケースが多いようだ。この逆はあまりないとか---。これも、同法による恩恵の一例だが---。
 
 あまり見えない部分をお見せしたが、時限立法で、20数年も前に失効している法律で、一度吸った甘い蜜から離れられないのか。当初の法の趣旨通り運営して、サッと切りをつけていたら、大阪、京都の今もっての混乱はなかったろうに。善良な人には迷惑な、後味の悪い結果となった。いや、まだ、結果となってはいないが。

コメントを投稿