智頭駅から12時51分発の因美線677D(キハ120 335)に乗車し、物見峠を越えました。台風12号で被災した区間は徐行して。スタンプラリーがやっていたようで、美作河井駅からは多数の「同業者」で賑わいました。
美作滝尾駅に着くまでの間、因美線の概要を紹介します。
因美線は、東津山と鳥取を結ぶ、駅数17、全長70.8kmの非電化路線です。もともとは陰陽連絡線の一部で、平成9までは急行砂丘が何往復か走っていました。しかし、智頭急行の開業を期に様相が一変します。前半の鳥取~智頭は、「スーパーはくと」や「スーパーいなば」といった特急列車が何往復も行き交っており、鳥取と山陽を結ぶ重要な交通路です。普通列車は、HOT3500形を中心として山陰本線用のキハ47が行き交っており、鳥取~郡家では若桜鉄道のWT3000形も乗り入れます。一方、智頭以南は、典型的な中国山地のローカル線に転落し、那岐までの1往復を除いて岡山のキハ120形に統一されています。
13時42分に美作滝尾駅に到着すると、そこは撮影会状態でした。交換設備が撤去され、片面ホーム1面のみの構内となっています。
まずは駅裏から。ちょっとした畑の向こうに田んぼが広がっています。時期になると、アートが形成されたようです。男はつらいよ??
それでは駅舎撮影。2本の松の木がアクセントの木造駅舎です。昭和3年3月15日の開業以来の駅舎ですが、無人化された後、津山市が買い取り、地元の有志によって綺麗に保存され、2008年に文化庁から登録有形文化財に指定されました。トイレは別棟です。
ファサードの部分を拡大。駅名板が前後にあります。扉も木製で、電灯も白熱灯で、古き良き時代にタイムスリップしたかのように錯覚します。
こんどは左側の松の木を拡大。鉄道70年記念碑があります。
それでは周辺散策。駅前にJAがあります。切符売り場となっていますが…。まるで、昭和30~40年代にタイムスリップしたかのような家並みです。
美作滝尾駅の本当の良さは駅そのものにあるので、駅に戻ります。自転車置き場も年代モノで、青空によく映えています。
再び駅舎内部へ。木製の窓口と手荷物扱い所も残っています 手荷物取扱いの案内も残っています
まるで現役のようです。勿論、旅ノートもあります。
木製の改札も残っています これまで(2011年10月8日現在)2300余りの駅を巡ってきましたが、木造の改札ラッチがある駅は他に羽越本線の上浜駅くらいだっけ。
美作滝尾駅は、その素晴しさから、「男はつらいよ~紅の花~」のロケ地の1つとなりました。平成7年10月20日の撮影ですが、当の渥美清さんは病状が大分進んでおり、彼にとって最後の出演作となりました。
列車に乗ろうとホームに出ると、木製の駅名板の断片の下にある木製のベンチを発見しました
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、そろそろ出発の時間となりました。14時12分発の680D(キハ120 334)に乗車し、この素晴しい木造駅舎を後にしました。
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