Web日経5月12日情報、社会保障費の抑制のために厚生労働省がまとめた医療・介護分野の効率化計画の全容が5月11日に判明しました。医療機関が健康保険組合に出す医療費の請求である診療報酬明細書(レセプト)の電子化を2010年3月末迄に8割達成する数値目標を掲げました。このほか割安な後発医療品のシェア倍増や7年以内に介護が必要な高齢者の比率を1割に減らす目標を盛り込んだそうです。6月に決める経済財政運営の基本方針(骨太方針2007)にも反映される方針だそうです。
計画は医療分野でのIT(情報技術)の活用促進が柱で、導入コストが大きすぎると主張する医療機関側の抵抗で、これまで延期を繰り返してきたレセプト電子化実施時期について、2010年3月末までに8割の電子化を終える目標を新たに設けたそうです。2011年3月までに全面電子化を確実実現する方針を明示するそうです。
電子化すれば、医療機関と健康組合の間の膨大な紙のやり取りが入らなくなり、その結果、医療費に上乗せされている事務費を大幅に減らせるほか、過去の記憶との照合がし易くなり、健康組合などの過剰請求を見つけやすくなるそうです。その抑制効果は1兆円を超えるとの試算もあるようです。
新薬と同じ成分・薬効だが割安な後発医薬品(新薬より平均して34%安いが、医者や患者の心理的抵抗もあって普及が遅れていた)についても、現在約17%にとどまっているシェアを2012年度までに30%に倍増させる目標を設けたそうです。普及を促すために、処方箋の様式を後発医薬品使用を前提としたものに改めるそうです。厚生労働省によるとシェアの半部を占める欧米並みに普及すれば年間1兆円もの医療費抑制に繋がるそうです。
このほかには、健康保険証のICカード機能を搭載させ、過去の病歴や受診内容を患者がPCで確認できる「健康ITカード」導入することを明記し、同じ病気なら入院1日当たりの医療費が一定の金額になる「定額制」を採用する病院数を2012年度までに現在の3倍の1000病院に増やす目標も揚げました。介護分野では筋力トレーニングなどの予防事業を進め、要介護の高齢者の割合を7人に1人から10人に1人に減らし、2012年度までに全て介護サービス事業所に指導監査を実施する事を盛り込むようです。
情報元:PowerFP
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