ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

花さかじいさんII(4)

2008-07-10 | 花さかじいさんII/ 木こりの娘
その出来事を、よいおじいさんの隣に住む、悪いおじいさんと悪いおばあさんが聞きつけました。

「おじいさん、うちもお殿様のご褒美がほしいね」

「そうよの。ひとつ、やってみるか」


悪いおじいさんは、よいおじいさんの庭にそ知らぬ顔で入り込んで、残っていたポチの灰をかき集めました。そして、遠くが見渡せる小高いきれいなあの丘に持って行きました。

「さあ、この辺でよかろう」

悪いおじいさんと悪いおばあさんは、お殿様の行列が通りかかりるのを見計らって、ポチの灰を撒き始めました。


ところが、灰は灰のまま飛び散っていくばかりです。

悪いおじいさんと悪いおばあさんは、あわててもっともっと次から次へと灰を撒きました。


その灰が、通りかかったお殿様の目に入りました。

「なんとしたことをやらかすのじゃ、こやつらは。ひっとらえて、打ち首じゃ」


悪いおじいさんと悪いおばあさんは、お殿様の家来に捕らえられ、その場で打ち首にされました。

(つづく)