ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

母の手(1)

2008-05-12 | 続どろんこハリィ/ 母の手 /復活の朝
あるところに貧しいお百姓の夫婦がいました。ふたりは、それは大変働き者でしたが、生活は楽ではありませんでした。冬になると、春まで食べるものがもつだろうかと心配するばかりでした。

ふたりには、ミンという名前の男の子がいました。ミンは、すくすくと健康に育ち、学校に行くようになりました。

ミンは、学校でとてもまじめに勉強しました。おとうさんとおかあさんが働いて月謝を払ってくださったのです。無駄にするわけにはいきません。

成績も良く、明るいミンでしたが、学校でよくいじめられました。それは、ミンのおかあさんの右の手がつぶれていたからです。学校の友だちは、おかあさんのつぶれた手のことで、ミンのことをからかっては、いじめました。

それで、ミンは、おかあさんのことを好きになれませんでした。

(つづく)