年月が流れました。
戦争は終わりました。
駅にひとり取り残されたミンも、なんとか生きるすべを得て、おとなになっていました。頭の良かったミンは、小さな商売から始めて、だんだん成功し、立派な商人になっていました。
ある日、ミンは、仕事で旅をするために、あの駅に行きました。
駅の周りには、露天で小さな店を出している人たちがたくさんいました。食べ物もあれば、着る物、生活雑貨、何でも売っています。
ミンは、列車の中で食べるものを買おうと、あれこれ見ながら、ゆっくり歩いていました。
すると、不意に、後ろから声がかかりました。
「あの、もしや、ミン・・じゃないかい・・・」
ミンが振り返ると、わずかの野菜を地面に広げて売っている、くたびれた姿の初老の婦人がいました。
「ミン・・だね。やっと会えた。かあさんだよ。ここにいれば、いつか、きっと会えると思っていた・・」
(つづく)
戦争は終わりました。
駅にひとり取り残されたミンも、なんとか生きるすべを得て、おとなになっていました。頭の良かったミンは、小さな商売から始めて、だんだん成功し、立派な商人になっていました。
ある日、ミンは、仕事で旅をするために、あの駅に行きました。
駅の周りには、露天で小さな店を出している人たちがたくさんいました。食べ物もあれば、着る物、生活雑貨、何でも売っています。
ミンは、列車の中で食べるものを買おうと、あれこれ見ながら、ゆっくり歩いていました。
すると、不意に、後ろから声がかかりました。
「あの、もしや、ミン・・じゃないかい・・・」
ミンが振り返ると、わずかの野菜を地面に広げて売っている、くたびれた姿の初老の婦人がいました。
「ミン・・だね。やっと会えた。かあさんだよ。ここにいれば、いつか、きっと会えると思っていた・・」
(つづく)