新しく作った自分たちだけの国でウサギたちは、平和に暮らし始めました。
みんなで力をあわせて作った穴の住処は、とてもうまくできました。近くには、緑の野原があって、美味しい草がたくさんありました。それに、かくれんぼするのにもいいし、お昼寝するのにもいいし、かけっこするのにもいいし、ウサギたちにもってこいの場所でした。
ところが、ひとり、ふたりと帰って来ない者がいるのです。
その数は、だんだん増えていきました。
狼たちに狙われているのです。
穴の中にいる限りは大丈夫です。でも、ずっと穴の中にいるわけにはいきません。なぜって、食べ物は外にあるからです。だからといって、外に出て行くと、狼たちに狙われます。
「どうしよう。このままでは全員、狼たちに食べられてしまう」
そこに、ライオンから手紙が届きました。
「狼たちに狙われているそうだね。動物王国に戻ってきなさい。ここは安全だよ。食べ物もある。三日したらトラ猫が迎えに行くから」
ウサギたちは、相談しました。
「ライオンは、ボクたちのことを、動物王国でどうするつもりだろう」
「トラ猫のことを信用していいんだろうか」
「きっと罠に違いない。呼び出しておいて、全員丸ごと食べてしまうんだ」
「でもこのままいても、狼たちに食べられてしまう」
そんなことを話しながら、あっという間に三日が経ちました。
(つづく)
みんなで力をあわせて作った穴の住処は、とてもうまくできました。近くには、緑の野原があって、美味しい草がたくさんありました。それに、かくれんぼするのにもいいし、お昼寝するのにもいいし、かけっこするのにもいいし、ウサギたちにもってこいの場所でした。
ところが、ひとり、ふたりと帰って来ない者がいるのです。
その数は、だんだん増えていきました。
狼たちに狙われているのです。
穴の中にいる限りは大丈夫です。でも、ずっと穴の中にいるわけにはいきません。なぜって、食べ物は外にあるからです。だからといって、外に出て行くと、狼たちに狙われます。
「どうしよう。このままでは全員、狼たちに食べられてしまう」
そこに、ライオンから手紙が届きました。
「狼たちに狙われているそうだね。動物王国に戻ってきなさい。ここは安全だよ。食べ物もある。三日したらトラ猫が迎えに行くから」
ウサギたちは、相談しました。
「ライオンは、ボクたちのことを、動物王国でどうするつもりだろう」
「トラ猫のことを信用していいんだろうか」
「きっと罠に違いない。呼び出しておいて、全員丸ごと食べてしまうんだ」
「でもこのままいても、狼たちに食べられてしまう」
そんなことを話しながら、あっという間に三日が経ちました。
(つづく)