「ふん。」
タロウは、だからどうした、という様子で、またゲームに向かった。画面の流れは、さっきよりもずっと早い。一度やった場面は、もう頭に入っているので、無駄な動きがないのだ。あっという間に、セカンド・ステージに来た。
「まあ、予定どおりと言っとこか。」
と言いながら、実は、ちょっと得意になっていた。それまでよりも、少し慎重になって、でも、ガンガン進んで行く。また、建物に入った。荒れ果てたホテルのような感じで、あっさりした廊下の両側に、ドアが並んでいる。破壊されていて部屋の中が見えるドアもあれば、半開きのドア、完全に閉まっているドアなど、いろいろある。タロウは一つのドアを開けた。中は空っぽだ。・・・なんかありそうだ。
「ここは、たぶん、これか・・・。よっしゃ、おもったとおり。」
開けたドアを、閉めて、もう一度開けると、タロウの予想どおり、アイテムが隠されていた。
「ふーん。これで、考えてあるつもりかいな。さっきと同じパターンやん。」
タロウが獲得したアイテムは、「信仰の大盾」だった。
廊下を通り抜けて、階段を登るとき、少し緊張した。でも、何も起こらなかった。どんどん上って、屋上に出たとたん、敵が襲ってきた。
「これをまっとってんやん。」
でも、タロウは攻撃を仕掛けなかった。かわすだけだ。自分から攻撃したら、敵がその技を身につけて、それだけ強くなるからだ。タロウは、敵の攻撃のすきをついて、一発でしとめるつもりなのだ。ところが、敵が弓矢で攻撃してきた。タロウは、ますます攻撃のチャンスを見つけられなくなった。タロウのライフ・レベルもパワー・レベルも、もうほとんど残りがない。
「あっかん。死んだ。」
敵が放った矢をかわして、敵の背後にジャンプしようとしたタロウだったが、敵はそれまでよりも速いテンポで、次の矢を放ったのだ。タロウは空中でまともにそれを食らってしまった。
「うーん。やられた。くっそー。」
さて、タロウの敗北の原因は?
答えは簡単。そう、獲得したアイテム「信仰の大盾」を使わなかったからだ。
(つづく)
タロウは、だからどうした、という様子で、またゲームに向かった。画面の流れは、さっきよりもずっと早い。一度やった場面は、もう頭に入っているので、無駄な動きがないのだ。あっという間に、セカンド・ステージに来た。
「まあ、予定どおりと言っとこか。」
と言いながら、実は、ちょっと得意になっていた。それまでよりも、少し慎重になって、でも、ガンガン進んで行く。また、建物に入った。荒れ果てたホテルのような感じで、あっさりした廊下の両側に、ドアが並んでいる。破壊されていて部屋の中が見えるドアもあれば、半開きのドア、完全に閉まっているドアなど、いろいろある。タロウは一つのドアを開けた。中は空っぽだ。・・・なんかありそうだ。
「ここは、たぶん、これか・・・。よっしゃ、おもったとおり。」
開けたドアを、閉めて、もう一度開けると、タロウの予想どおり、アイテムが隠されていた。
「ふーん。これで、考えてあるつもりかいな。さっきと同じパターンやん。」
タロウが獲得したアイテムは、「信仰の大盾」だった。
廊下を通り抜けて、階段を登るとき、少し緊張した。でも、何も起こらなかった。どんどん上って、屋上に出たとたん、敵が襲ってきた。
「これをまっとってんやん。」
でも、タロウは攻撃を仕掛けなかった。かわすだけだ。自分から攻撃したら、敵がその技を身につけて、それだけ強くなるからだ。タロウは、敵の攻撃のすきをついて、一発でしとめるつもりなのだ。ところが、敵が弓矢で攻撃してきた。タロウは、ますます攻撃のチャンスを見つけられなくなった。タロウのライフ・レベルもパワー・レベルも、もうほとんど残りがない。
「あっかん。死んだ。」
敵が放った矢をかわして、敵の背後にジャンプしようとしたタロウだったが、敵はそれまでよりも速いテンポで、次の矢を放ったのだ。タロウは空中でまともにそれを食らってしまった。
「うーん。やられた。くっそー。」
さて、タロウの敗北の原因は?
答えは簡単。そう、獲得したアイテム「信仰の大盾」を使わなかったからだ。
(つづく)