中小企業診断士 福田 徹 ブログ

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「事業仕分け」に政治への希望と危惧を同時に感じた

2009年11月12日 | 福田徹の視点
 皆様、おはようございます。今日は11月12日木曜日、私は中小企業診断士の福田徹です。


 鳩山内閣の行政刷新会議は昨日より、2010年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」をスタートしました。

 私は、このニュースに新しい政治への希望を感じるとともに、この政府にある危惧をいだきました。


 公開「事業仕分け」は、国民の関心を引きつけ、しがらみの中にいてはできない予算削減を可能にします。

 いままで、国民から見ると密室で行われていた「調整作業」を表に出すことは、「予算を削減する」という目的下では有効に作用します。

 今夏の選挙のマニフェストの内容であり、また92兆円にまで大きく膨らんでしまった来年度予算概算要求額を見たときに、民主党政権が「どれだけ無駄を削れるか」は国民の関心事です。

 こうした、空気の中では「予算を削減する」という目的がはっきりしており、「事業仕分け」の現場で「削減する民主党」対「抵抗する霞ヶ関」の構図ができあがった時点で勝負あったと言うことでしょうか。

 だって、結論の大枠は「削減する」と決まっているのですもの。

 あとは、できるだけ無駄を指摘してどれだけ削るかの交渉ごとになります。

 そう、予算削減を要求して役人を追及することは、政治家にとって格好のショータイムです。

 なんだか、仕事をしているように見えますよね。

 有権者へのアピール度が高い、政治的見せ場ですね。


 ところで、今回採用された「時間を区切ってその場で結論を出す手法」は、今回のように目的目標がはっきりしているときには非常に有効な方法です。

 こうした今までは国政の場では使われなかった手法を採用し、いままで「できなかったこと」を「できるようにする」この政府に、私は新しさを感じ、未来の政治への希望を感じます。


 しかし一方で、私はこの政府のやり方に危惧も感じています。
 
 それは、本当の政治的な選択についての議論がおろそかになっていると感じることです。


 今回の政治ショーは「目的目標」がはっきりしていることが前提で成り立つものでしたが、それではこの政府が目指す「目的目標」についての議論はどこでなされているのでしょう?

 さらに言うと、菅直人副総理の「国家戦略」はどこに行ったのでしょうか?


 たとえるならば、私のかかわる企業再生においても、「目的目標」とそれを実現する「戦略」なしに、コストカットなどの「戦術」を実行すると、うまくいかず中途半端な結果に終わります。
 目的目標がはっきりせず、目的目標に到る道筋が示されていないと企業は迷走するのです。

 これについては、国家でも同じことが言えませんか?


 たしかに、予算削減=コストカットはすぐに必要だし、来年度予算はすぐに決めなければならないのですが、それであったとしても「目的目標」を達成するために何が必要で何が不要なのか最初に決めておかないと、まだ見ぬ「目的目標」達成のために必要な予算まで削りかねません。


 私は、「目的目標」とそれを実現する「戦略」なしの「事業仕分け」には(単なる政治ショーであるならまだ害も少ないが場合によっては)国家百年の計を誤る危惧を感じます。


 来年度予算策定には時間がないので、とりあえずは限定的暫定的な議論であっても良いと思います。

 今からでも「目的目標」とそれを実現する「戦略」について、議論の場をつくってはいかがでしょうか?


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