石巻中心部から、中瀬のすぐ脇の内海橋を渡って女川方面へと進んだ。
八幡、湊、渡波と通っていく。
被災住宅の解体が進んで、空き地も多くなったが、再建された家もある。
工事している所が度々見られ、動きがあって、どことなく活気があるように思える。
所々に屋台のような店が出来ている。
渡波の手前で、そば屋を見かけた。
次に、ツルハ薬局手前で、少し大きな棟になっている商店が建築中なのを見かける。
まだ表の大看板は真っ白だったが、店舗の部分を見ると、「銀だこ」の看板があった。
「銀だこ」の隣は、窓の貼り紙からしてラーメン屋らしい。
近くのヤマト屋書店は、壊れたままで解体を待つ。
空き地と再建住宅とが入り混じる渡波。
道沿いに、小さな食堂が出来ていた。
商いは、人と人との関わりである。
物と人とが、商いによって繫がれていく。
被災地の人々も、他所から仕事に来た人も、現地に再建された店で同じひと時を過ごす。
何気ないやりとりが、誰かを楽しませることもある。
そうやって、町に活気や笑顔が増えていくかもしれない。
被災地に出来た小さな店は、そんな力の一つだと思う。
だから、被災で一つまた一つと店を見つけると、心地よく風が吹き抜けるように、心の中を嬉しさが通っていくのであった。