名取市から南へ行くと、阿武隈川を挟んで北が岩沼市、南は亘理町になる。
鳥の海という湾があって、ぐるりと湾を廻ると、北側にも南側にも湾を望む公園があった。
(↓2010年6月撮影)
南側の公園は少し小高い所があり、そこから湾を眺めると、実に爽快な景観で、穏やかな青い海に草木の茂る陸も見えていた。
湾の入り口の北側は、漁港になっていた。
その港の縁に荒浜漁港公園があって、亘理「えんころ節」が聴ける歌碑があった。
3・11の津波で、この景観も変わってしまったが。
「えんころ節」は、亘理発祥と言われている祝い唄だ。
しみじみとした響きの中に、どこか軽快な高揚感のある唄である。
毎年1月には、亘理町で「えんころ節大会」が開催されていた。
今年はどうだろうと、気になっていたが、先日亘理町へ行った時、大会の開催を知らせる貼り紙を見かけたのだった。
今年も途絶えなかったことに、亘理の人々の思いが伝わってくる。
古くからの唄も食も、荒浜の町にはあった。
これを引継ぐことは、ふるさと再生の礎かもしれない。
亘理の人々は、大切なふるさとの宝を励みにして、一歩一歩進んでいるのだと思った。