橋の袂で

　橋の手前の交差点で「○○○の党」と染め抜かれた幟を立てて、
独り手を振り、頻りにお辞儀をしてる男性を見た。
　この人ここの所略毎日、
東の方から西の方へと県内、どこかここかの交差点で見掛ける。

　昨日までとは打って変わっての穏やかな朝とはいえ黒いスーツだけの姿は、
コートやジャンパーを着込んだ、児童生徒の保護者や交通指導員だとか警察官などの、
　他の町角に立つ人たちと比べると、
随分薄着で寒そうだけど、懐炉でも沢山持っているのだろうか。
　手袋と上着の下から覗く袖や襟が白い上に逆光だからか、日焼けした顔がやけに黒く見える。

　支持率低迷の２大政党と比べ支持率を伸ばす○○○の党だけど、
仮にこの党が政権を取ったら日本は上手く行くと、考えてる人は多いのだろうか。
　今の日本、どの政党が政権を担っても結局、これまでの自民党そして今の民主党と、
何ら変わらない政治が行われるのではないかと、思っているのは私だけだろうか。

　本当は、そうは何かと上手く行かない事が多いのは十分承知でも、
どの政党のどの政治家も、
当選前の選挙運動ほど熱意を持って、
選挙当選後の政治活動を行ってる様には見えない
　　　　　　　　　　　と、思うのは私だけではないと思う。

・・・・・

　川の流れは水量が少なくて、淀みが出来て水鳥が集まっている。

　鴨が３羽ゆっくり泳ぐ水面は、
確実にこの間より強くなった日射しで煌いている。

　「筑紫を探して見たけれど、まだ少し早かったかな」

　と、そう言う人が居た。