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夢の軽便鉄道

2017-04-02 21:45:43 | 日記

毎日の通勤途中に、気になるものがある。
それは線路で、
もう随分前に廃線になった軽便鉄道だ。
里山を降り平野部へ向かう4キロ程の区間だけ、
未だに線路が残っているのだった。
(注;見た夢の話で、そんなものは通勤途中に存在しない)

しかし、もっと気になるものが、
そこから少し離れた民家の納屋の脇にあった。
(注;これも夢の話)
それは曾て件の軽便鉄道を走っていた、
          ディーゼル気動車だった。

初めそれを見た時、
鉄道マニアのそこの住人が、
       「お宝」にしてるものだと思った。
ところが何年か毎日それを眺めているうちに、
次第にウェザリングされ、
     汚れや錆が増していると気付いた私は、
どうしてもその車両が欲しくなった。

そこである日、思い切ってその家を訪ねてみると、
なんでもカラオケが趣味のそこの住人は、
カラオケスタジオにでも改造しようと考え、
鉄道が廃止になる時、払下げの車両を購入したらしい。
しかし狭すぎて、
カラオケスタジオにも物置にもならず、
           放置してるとのことだった。

欲しいのならあんたに譲ってやる。
しかも輸送に掛かる費用も、
知り合いの業者に頼んでやるからと、
全くもって願ったり叶ったりの話だった。

そこで序でに、
あそこの線路を使って走らせてみたいと言うと、
線路の所有者が誰かは知らないが、
この辺りの山と畑は家と隣近所の物で、
あまり人が立ち入ることもないから、差支えないだろう。
しかし、
山を出て平地の区間を走ることは止めた方が良い
と、注意を受けた。

そんな訳で、
全くの格安で電車(といおうかディーゼル気動車)が、
自分の物になり自分で列車の運転を楽しむ日々が続いた。
(注;トレーラーで運ばないといけない代物が、
夢の中なので何故か、
折りたたみ自転車の様にジムニーの、
後ろに積める都合の良い物にすり替わっている)

そして3月18、19、20と三連休。
この日も、
何時もの様に何時もの道路わきにジムニーを止めて、
           『マイ電車』を走らせ始めた。
(注;もちろんディーゼル気動車と電車は別物だけど、
一々「ディーゼル気動車」と言うのは面倒なので、
以後「電車」とする。便宜上と言おうか、
          どうせ、いい加減な夢なので)

線路の出発地点から里山を降るまでの区間は、
   緩やかな下り坂だ。
進行方向の左手側が木々の間から、
遥か向こうの山並みが見える雑木林で、
反対側は、これもまた春を待つ畑と谷川の風景が続く。
   やがてその先にある鉄橋の手前、
線路が大きく右にカーブした所に来た時、
        私は未だ一度も使ったことが無い、
 汽笛を鳴らしてみたくなった。

「ええと、汽笛はどれだろう」???
(注;現実の本物の電車には、
        そういうものがあるのか知らないが
夢の中の電車には家電の様な取説が付属していた)

これだと思うレバーを引くと、
果たせるかな「ブワァーァン」と、汽笛が鳴った。
しかしその音に満足する間も無く、
突然聞こえた「ピィー」という乾いた音に、
はっと気付くと、
前方から貨物列車がこちらに向かって来ている。
前後二つのパンタグラフを揚げた、
先頭の電気機関車も後ろの数両の貨車も、
        全て見事にレストアされた、
曾てこの鉄道を走っていた車両である。

「ブレーキ、ブレーキ」

私は再び取説のページを捲る。しかし、
慌てる必要はないと思った。
というのも、私の方は緩やかな下り坂を利用して、
殆ど惰性で動いていたし、
向こうも、相当ゆっくりとした速度の様に見えたからだ。
もしぶつかることになっても、
ガツンとお互いの連結器がかみ合う、
入れ替え作業時の衝撃程度だろうと思った。
たぶん、
向こう側は既にブレーキを操作し始めているだろう。

ところが意外なことに、
貨物列車はそのままこちらに向かって来ることはなく、
谷川縁に敷かれた側線に入って停止した。

この日まで、
電車の元の持ち主からの注意を守り私は、
何時もこの側線の所まで来ると、
折り返して元の場所に戻る事にしていた。
というのもこの先、
鉄橋を渡ると直ぐに幹線道路と交差する踏切があり、
人目に付くと不味いし第一、
踏切には線路に人が立ち入らないように、
もう列車が通ることが無い
線路側にフェンスが設けられていたからだ。
しかしこの日は、成り行きから鉄橋を渡り、
そのまま平地区間を走り続けることになってしまった。

それにしても、ここは廃線になった筈なのに、
今、走っていた電気機関車が引く貨物列車は何なんだろうか。
私と同じ様に何処かで電車を手に入れて、
この線路を使って、
電車を走らせていた者が他にも居たのだろうか。
(注;それにしても、
最初の設定では非電化単線となっていたのに、
何時の間にか線路頭上には架線が張られたり、
踏切の線路を寸断するフェンスが無くなっていたりと、
都合の良い夢と言おうか、
そんな身勝手な夢を見る自分の頭のことが嫌になってくる)

点在する集落を望む田園地域を通り抜け、
程無く線路の終点に付くと其処はその町の、
役所や市民ホールのような施設が建ち並ぶ区画だった。
そして驚くことに其処には、
先ほどの貨物列車と同じように完璧にレストアされた、
この鉄道やその他各地の鉄道車両が集まっていて、
それらを持ち寄った、
愛好家たちと多くのギャラリーで賑っていた。

こんな所に長居は無用と、
元来た場所を目指して電車を出発させたものの、
今度は三両編成の電車が目の前に現れた。
慌ててバックさせた私の電車は、車止めを乗り越え脱線、
其処にある、
公共施設前の駐車場に止まってしまうことになった。

これは少し困ったことになってしまった。
誰か付近に住む人に目敏く見つけられ、

「駐車場に電車を置く者が居て迷惑」

と、クレームを通報されては厄介だ。
そんなことになると、非難の矛先はここに集まっている
鉄道マニア全体に向けられることになり、そして結局、
ここに集まるマニア達から私が村八分にされることになる。
道楽とは言え村八分は避けたいものだ。

それにしてもここに集まる者たちは、
こんなにおおっぴらに電車を走らせている。
ということは、やはり線路の所有者から、
使用許可などを取っているのだろうか。
もしかして線路の使用料とか、
    年会費とかを払っているのかもしれない。
そもそも電車の運転にも資格が必要なはずだ。
線路の無許可使用、
電車の無免許運転はやはり良い事ではない。

この際、少し情報収集をしておこうと思い、
電車を走らす順番待ちをしているらしい、
           二人の若者に声をかけた。
話によると彼らは連休になると必ず大阪から、
トレーラーに積んでやって来るらしい。

「毎日走ってるんですか。いいなあ、地元の人は」

一人が羨ましそうに言った。
電車はダメ元で某鉄道会社掛け合って入手出来たのだけど、
輸送費諸経費含めて一千万近く掛かったそうだ。
それなら満額受給になるまで待っても、
到底生活費にも足りない私の年金の足しになる程の金額を、
吹っかけても、
ここに居る者達なら飛付いて来るかもしれない。
いや、そんなことをする心算は毛頭ないけれど、
今後の事を考えると早めに電車は、
      輸送費諸経費を用意出来る誰かに、
無償譲渡した方が良いかもしれない。

そうこうしてるうちにも、
私の電車の周りにも、幾人もの親子連れが集まりだした。
子供たちは車内で飛び跳ねたりの大喜びの様子だった。
それはそれで差支えないのだが、
早くこの場から電車を撤去しないと
快く思わない付近の住民から、
クレームが出ないかということが気掛かりだ。

この二人に、
「電車を見ていてほしい」
と、頼んでジムニーを取りに行こうか。
(注;そろそろ目覚めが近くなったのか、
電車は折りたたみ自転車の様にジムニーに積める訳が無い
という矛盾に、私頭は薄々気付き始めていた)

ジムニーを止めている場所には、
徒歩で片道1時間は掛かりそうだし、
この後、車を見にディーラーに行く心算だったのに。
(注;もちろんこれも夢の話で、
   私には新車を買う余裕も予定もない)

さあ、どうしたものかと思ったところで目が覚めた。

  

コメント (9)
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